天職の舞台裏

天職の舞台裏

天職と思って日々仕事をしてますが、その舞台裏で色々考えていること、あるいは水面下でジタバタしてることを書いています。

キャリア棚卸し|再び企業知財へ転職

キャリア第3期は、2008年3月の転職から始まる「企業知財再び」です。転職についての過去のエントリは、あまりに赤裸々だったりするので、多少編集して、このエントリにします。

転職の動機

転職の直接のきっかけは行き詰まり感というか、端的に言えば「特許明細書を書くのに飽きた」ということだろう。時々この不満は浮上してくることがあり、その都度、対症療法的に対処してきた。例えば、事務所内のシステムを整えるとか、後進の指導をするとかいった管理業務の比重が増えてきたのでそれに注力するとか。

とはいえ、間接業務は売上の停滞を招く。どう考えても売上の方が優先するため、そうそうそればかりしているわけにも行かない。ということは、

このまま事務所にいたら、ずっと先まで10年一日のごとくひたすら好きでもない明細書書きをし続けなくてはならないのだ。ノルマに追われて。

とか思ってしまったわけである。

ところで、「明細書を書くのが好きじゃない」というと、大抵の業界人は驚いて「なんで特許事務所で弁理士なんてやってるんです?」と言う。いやだって、国内出願業務は弁理士のコメだって誰かが言ってたように、根幹を経験しなくては大言壮語を吐くのはまずいでしょう。実際書くことで得られたことも多いと思うし。まあ、修行ですね。はい。

見方を変えていうと、自分が技術系でないことによる特許明細書書きとしての行く末に限界を感じた、とも言える。これは、悲しいかな、大学の専攻の問題だけではなくて、後から補強しようにも難しいくらい適性がない。話を聞けば分かるけれど、引き出すところまで行かない。

転職の理由

潜在的な転職理由としては、今自分のしている仕事の事業の中での位置づけが不明であることに対する不満が挙げられる。大企業からの受注は受けた仕事を出願の形にして納品することだけが求められる。その会社の特許戦略やら事業戦略などは知らされない。中小企業であれば、本来そのあたりを見据えて助言の上出願すべきなのだろうが、依頼してくる会社も対応するこちらもそんな理想的な形にはほど遠い。顧問になってもっと会社の中に入り込んでいくべきだという議論はしょっちゅうされるけれども、そういう形を模索している余裕もなく大企業からの受注件数の波に飲み込まれているのが現実だ。

これを解決する1つの方策が、コンサル業務の比率を増やしていくことで、その方向に舵を切ろうかとも思ったのだが、よく考えれば、なにも代理人として外からかかわる難しさを嘆くよりも、当事者になってしまった方がよい。私は会社組織が嫌で外に出たわけではない。色々な会社の仕事をしたいという欲求があるわけでもない。今の自由度は気に入っているが、それが最も重視する点というわけでもない(ここ数年は、下の息子がまだ保育園児だったから、ここを重視してあえて企業は考えてこなかったのだが)。ならば、企業に入った方がよいではないか。

また、キャリアを渉外系からスタートしたこともあって、自分のホームはそこにあるとずっと感じていたにもかかわらず、事務所ではその機会がほとんど得られない。

これらを解決しようと思うと事務所から企業へ移ることが最善だと思われた。

このため、転職に際しても、細分化されていて技術的な素養を求められる大手知財部の特許担当職ではなくて、中小で知財全体を見られるようなところを希望した。

勤務地の関係もあってかなりニッチになってしまったし、第一前職が特許事務所でその前の企業経験は若手止まりとなると会社側が力量に疑問を持つため、それなりの規模の知財部にはお断りされることが多かった。

結果、現在の勤務先に拾ってもらった格好になるわけだが、これは本当に自分が求めていたポジションに結果としてなっており、非常にラッキーだったといえるだろう。

転職活動について少し

転職エージェント2社に登録して、知財担当者の求人をピックアップし、応募依頼を掛けた。上にも書いたが、かなり書類選考落ちした。面接まで行ったのは2社で、うち一社は一次面接落ちしている。なにしろ年齢も高かったしね。

そういえば、当社の一次面接日指定で、「日程調整がなかなか難しい会社ですので、なるべく下記日程で」とか言われ、それまでの書類選考に2週間以上、一次面接の案内から実施まで2週間。そして「調整が難しい」って、いったいどんな会社なんだ??と思ったのだった。ちなみに、面接指定日はクリスマスだった。

一次面接

適性試験(筆記)があって、中途でもやるんだ!と吃驚した。疲れた。。。

面接官は、人事担当者、知財のGL,その上の技術部長・役員、知財の顧問職の4名。転勤はできないか、といきなり人事面の質問から始まって面食らった。

主な質問は、以下の通り。

・なぜ当社を志望されたのですか

・初職、その後のブランク、現職、今回転職を決意した理由について

・三位一体経営(知財・研究・事業)で、何が重要だと思いますか

・技術はどうやって勉強したのですか

・ハード、ソフトの技術的知識は大丈夫ですか?

・知財業務の中で何が一番おもしろいと思いますか

・転職されたとして、その後定年まで働きますか

・特許戦略では何が重要だと思いますか

・最近興味を持った技術的テーマは何ですか

結構つっこまれたし、忙しくても大丈夫ですかみたいな質問もあったが、面接の会話を楽しめたと思う。ぐったりしたので、途中乗換駅でコーヒーを飲んでまったりしていたら、エージェントから電話。一次通過、最終面接の連絡。今週中には結果を連絡しますと帰りがけに言われたのだが、当日中とは。で、またしても年始直ぐの日にピンポイント指定(笑)。

後日談として、このときの一次面接を担当していた知財GLは、今も一緒に仕事をしているのだが、

あのときは、ほかの面接官に口を揃えて「あれは大変だぞ~」とか「大丈夫か?」とか散々言われて、最後には「おまえが一緒にやるんだからおまえが決めろ」と丸投げされたんですよ。

と笑う。

最終面接

指定日に最終面接。年末年始はスキーに行ったが、落ち着かなかった。

面接官は、社長と人事部次長の二人。

会社の置かれている状況の説明を経営者視点から述べられ、採用したいと聞いていますからよろしく、という趣旨のことを言われた。人物確認が主だったような印象。おかげで割合リラックスして話すことができた。

主な質問は、以下の通り。

・初職から現職までの略歴・仕事内容を説明してください

・当社はどのような会社だと思いますか

・なぜ当社に応募されたのですか

・現職が充実されているように思いますが、なぜ転職されるのですか

・まだお子さんが小さいと思いますが大丈夫ですか

・ご主人の転勤の可能性は?

・なぜ知財の仕事がしたいのですか

決定

その週のうちに内定通知があった。翌月(2月末)で退職の意思を所長に伝えた。11月の面接時に予告していたため、特に引き留められることもなく、淡々と。