天職の舞台裏

天職と思って日々仕事をしてますが、その舞台裏で色々考えていること、あるいは水面下でジタバタしてることを書いています。

どこまでで良しとするのか

しばらく前に書店で見かけた「たいていのことは20時間で習得できる」という本が面白そうだったので、Kindleで購入し、出張の際に大体読んだ。

この中で、マルコム・グラッドウェルの著書に登場する「1万時間の法則」が触れられている。

いわく、

フロリダ州立大学のアンダース・エリクソン博士の調査によると、何かにおいてプロのレベルに到達するには、平均して1万時間、本気で練習する必要があるという。 1万時間というと、本気の練習を毎日8時間、ほぼ3年半にわたって続けるのに等しい。週末も休暇もなく、1日もサボらず、である。年間の平均労働日数が260日だとすると、フルタイムの仕事ほぼ5年分に相当する。

これは相当大変なことで、

何かできるようになるのにそれほど時間がかかるのなら、そもそも始める意味があるだろうか

と思ってもおかしくない。でも、本書で指摘されているように、この研究は、対象が"プロレベル"の人々なのだ。確かに、プロならそうなのかもしれないし、確かにそうだろうと思える。じゃあ、そうでない、

「自分の目標にあったそこそこのれべる」に到達するのに必要な努力ははるかに少ない。

というところから出発し、『目的にあった』スキルを獲得するのに必要な練習量(時間)を「超速スキル獲得法」として提唱している。

そして、これを達成するために、「一時的に何かに夢中になる」という状況を作り出すのに役立つ10のルールを紹介している。

  1. 魅力的なプロジェクトを選ぶ

  2. 一時に一つのスキルにエネルギーを集中する

  3. 目標とするパフォーマンスレベルを明確にする

  4. スキルをサブスキルに分解する

  5. 重要なツールを手に入れる

  6. 練習の障害を取り除く

  7. 練習時間を確保する

  8. すぐにフィードバックが返ってくる仕組みを作る

  9. 時計のそばで一気に練習する

  10. 量と速さを重視する

詳細は、本書をお読み頂くとして、上記のうちで個人的に最も重要なのは3だよな、と思った。習得しようとするスキルを、どれほどのレベルにしたいのか。確かに、これを考えずに闇雲に始めてしまうと、やっているうちに何を目指していたのか分からなくなってしまったり、いつまでたっても達成感が得られなくなかったりする。

これって、なにも新しいスキルを身につけるときだけではなくて、やったことがあるけど停滞しているものとか、知識の獲得とかでも応用が利きそうだ。

そこで思ったのは、大学時代に始めて中断を繰り返しながらいままでなんとか続けている楽器(ヴィオラ)とオケ。もちろん、上達して楽しみたいという思いはあるんだけど、いつも練習に確保できる時間との戦いになっていて、単なる帳尻併せに終わっているところも正直ある。じゃあ、「上達して」っていったいどのくらい?どんなレベルになったら満足できるの?というのを、改めて考えて、ちゃんと文章に起こしておくのがよさそうだ。

ここには(ちょっと恥ずかしいので)公開しないけど、ちゃんと考えてEvernoteに入れておこうと思う。