天職の舞台裏

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天職の舞台裏

天職と思って日々仕事をしてますが、その舞台裏で色々考えていること、あるいは水面下でジタバタしてることを書いています。

パテントボックス税制と税源浸食(BEPS)の関係

某所のミッションでパテントボックス税制を研究しているのですが、9月に出たOECDの提言に登場しているらしい、という話で、そちらを参照しに行きました。すると、これは税源浸食(Base Erosion and Profit Shifting : BEPS)についてのOECD報告書に基づくアクションプランのアウトプットの一部である、ということが分かりました(アクション5:有害税制への対抗)。

とはいえ、ピンポイントにこのアクション5の部分だけ読んでも何のことやら(汗)。背景がちゃんと分かっていないので難しい。ということで、参考書としてこちらを購入しました。

国際的な課税権の確保と税源浸食への対応

国際的な課税権の確保と税源浸食への対応

この書籍の序章の前に置かれている部分については、税大ジャーナルへの論説原稿ということで、公開されています(「税源浸食と利益移転(BEPS)に係る我が国の対応に関する考察」(中間報告)(PDF/874KB)居波 邦泰)。

税大ジャーナル(第23号)|研究活動|税務大学校|国税庁

上記書籍によれば、いわゆるタックス・ヘイブンと言われる国でなくても、特定の所得に対して低課税になるような租税優遇措置があり、実効税率で低課税になる場合は、所得の国外流出(税源浸食)の観点から見ると、効果が等しいということで問題視される、ということのようです。

そして、パテントボックス税制は、特許権などの適格知的財産から生じた所得に対する法人税の軽減を認めており、この適格知的財産に、自己開発でない外部調達のものが含まれてくると、国外からの無形資産の流入を促進させる効果があり、税源浸食につながると評価されるのではないか、ということらしい。

英国のパテントボックス税制がEUで問題視されているというのはこういう文脈だったのか、とようやく理解が追いついて来た気がします。アウェー感満載なので、歩みが大変のろいです。。。

ちなみに、タックス・ヘイブンといわれる国や地域が存在することはもちろん認識していたのですが、いったい無税でどうやってやっていけているのかよくわかっていませんでした。上記書籍に、こうした国々は、国土が狭く、人口も少ないため、そもそも必要とする税収=国家運営に必要な歳入額が少ないという前提があり、無税や低税率にすることで国外からある程度の所得を呼び込むことができれば、必要な歳入額を確保できてしまう、という説明があり、納得しました。

こんな式で表されるということです。

(税率)↓×(流入所得額)↑+(その他の手数料等)=BEPS税収

肝心の、アクション5の今回のアウトプットについては、これからしっかり読むところです。どうやら、パテントボックスを含む優遇税制が税源浸食の観点で有害かどうかを判断するための手法をOECDとして提示するのが目標の1つになっており、現段階では複数の候補が検討されている、その紹介がなされているようです。