天職の舞台裏

天職の舞台裏

天職と思って日々仕事をしてますが、その舞台裏で色々考えていること、あるいは水面下でジタバタしてることを書いています。

改めて、カナダについての本を読む

1996年5月から2001年11月までカナダはモントリオールに住んでいました。帰国してから15年になり、随分記憶も遠くなってしまっていますが、彼の地で過ごした6年弱はこれまでの人生の中でとても大切な経験であり、人生観も変わったというか幅が広がったと思います。子供たち2人の生まれたところでもあり、第二の故郷と言えるでしょう。

というように、とても大切に思っているわけですが、なぜかこれまでカナダの歴史についてしっかり調べたり読んだりしたことがありませんでした。まったく思いつかなかったのです。

滞在中には博物館的な展示を見る機会が時々ありましたので、移民の歴史の展示を見たこともあります。例えばオールド モントリオールには、あちこちにこうした展示があります。また、思い返してみれば、McGill大学の講義を受けているときに、先住民について書かれた論文を読む機会があったこともありました。法学部の講義だったので、カナダの憲法については授業を受けていまして、合衆国憲法と随分構造が異なるという印象は持ち(連邦と州の権限配分など)、それなりに興味深く感じていたのですが、正直なところこうして断片的に知識を英語で仕入れても、自分の中で組み立てるのは難しかったのです。

最近、ふとした機会からカナダ(史)についての本を固めて読みましたので、自分の覚えも兼ねて書き記しておこうと思います。

カナダの歴史の本

先日図書館に行ってたまたま各国史の書棚を見る機会があり、そういえば、と思って手に取ったのがこちらの「カナダ史」でした。

カナダ史 (新版 世界各国史)

カナダ史 (新版 世界各国史)

オーソドックスな歴史書の作りで、しっかり歴史を押さえておくにはよい1冊ですが、教科書的でボリュームがあり、読むのにそれなりに時間がかかりますし、読んでいてそれほど面白味のあるものではありません。そして、出版時から時間が経過しており、特に改版もされていないようなので、残念ながら現代分が1990年代で終わってしまっています。

これを読んでから、その後のカナダの状況を追いかけたくなったのと、もう少し読みやすいものはないだろうかと思って探して見つけたのが以下の2冊です。

カナダの歴史がわかる25話

カナダの歴史がわかる25話

現代カナダを知るための57章 エリアスタディーズ

現代カナダを知るための57章 エリアスタディーズ

「カナダの歴史がわかる25話」

著者は、最初に読んだ「カナダ史」の著者のお一人で、カナダ史の研究者です。前書きに、トロントの日本料理レストランで隣り合わせになった方に職業を尋ねられてカナダ史を研究していると答えたところ、「カナダって歴史があるんですか?」などとの言われるというエピソードが紹介されています。

質問された方は随分前に日本からトロントに移住された方だったそうですが、確かに、普通に暮らしていてまとまってカナダ史に触れる機会はなく、カナダ史どころかカナダについて全般でも読む機会はとても少ないと言えます。カナディアンロッキーに代表される大自然とメイプルシロップ、赤毛のアンのイメージくらいでしょうか。

この本は、カナダの歴史を知らない一般向けに「なるべくやさしく書いた」と書かれているとおり、非常に読みやすい語り口で書かれています。また、時代順に並べる通史的な記述ではなくて、テーマ別に構成されており、重なるところもありますが、それぞれのテーマごとに独立した記述になっているのでどこからでも読むことができ、とてもとっつきやすいものに仕上がっていると思います。カナダについて歴史から理解するための最初の本としてお勧めです。

この本の出版は2007年。私のモントリオール滞在中を全部カバーし、その後のあれこれも知ることができて個人的にも面白く読みました。

残念ながら絶版のようで、Amazonでも中古でしか手に入らないようです。電子化はされていないので、図書館で借りて読むのが確実そう(私もその手で読みました)。

「現代カナダを知るための57章 エリアスタディーズ」

こちらは、「カナダの歴史がわかる25話」と同じ出版社(明石書店)から出ているのですが、新しい本のためか電子版があります。このエリアスタディーズのシリーズは、色々な国をとりあげてたくさんの本が出ており、カナダについてのものも、他に「カナダを知るための60章」(2003年発行)、「カナダを旅する37章」(2012年発行)の2冊があります。「はじめに」によれば、本書は60章の新版のようなのですが、60章も絶版にはなっていないようです。

「現代」と銘打たれており、書かれているのが2010年秋であるため、2000年代以降の動きや文化についてスポットライトが当てられて書かれていますし、一方で現代のカナダの基礎となっている歴史についてもしっかり書かれていて理解しやすくなっています。

カナダについて全体像を知るためにはとてもよい1冊であると思います(電子版で手に入りやすいですし)。一方で、カナダの歴史を知りたい、と思うと少し現代より過ぎてもの足らないかもしれません。こちらも最初の1冊に位置づけられる本かな、と思います。

といいつつ、入門書でないカナダ(史)についての本って見当たらないんですけど(汗)。とりあえず、次は、Kindel Unlimitedに入っていたこちらの本を読んでみようかと思っています。

カナダの教訓 超大国に屈しない外交

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