天職の舞台裏

天職と思って日々仕事をしてますが、その舞台裏で色々考えていること、あるいは水面下でジタバタしてることを書いています。

上司というもの

今の勤務先に転職して来てからの数年間上司だった方が、現在監査役となっておられ、内部統制の関係でここ数ヶ月ご一緒することが多くなっています。

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上司と部下だった頃というのは、こちらは知財部門の実務責任者で、先方は部門長兼務の担当役員。技術系ではあっても知財は専門外で、にもかかわらず当時は訴訟係争の数が半端なく、責任者になってしまうという面倒な状況でした。

こちらとしては、自分の専門のコア領域で全力を尽くしていたわけですが、いかんせん知財は前提を腹落ちするまで理解してもらうところが一番ハードルが高く、日々の大波小波に揉まれている中でそこまで上手くできていたとは言えません。お互いに理解が進んでいるとは言い難く、こちらからすると斜め45度くらいから飛んでくる想定外の質問や要求に戦々恐々としていた覚えがあります。

正直なところ、かなり苦手としていて、立場が変わってからも苦手感が払拭できずに過ごしていました。

数か月前に法務も配下に持つようになり、コンプライアンス事務局が職掌に入った関係で、内部統制との関係を協議することが増えたのですが、会社法とか金商法とかこれまで全く縁がなかった分野だけに、何を言われてもチンプンカンプンで、話についていけるようになるのにずいぶん勉強が必要となりました。

監査役としては、内部統制が機能していることを監査を通じてモニタリングしていくのがお仕事の一部であるため、協力を要請されることが多くなったのですが、なにしろ上記のような状態です。ずいぶん歯がゆかったと思いますが、時間をとって丁寧に繰り返し説明をしてくださることが続き、私の中で苦手感が払拭されました。

監査役としては、監査役協会からの資料や研修などもあり、また、それまでの職務と異なる分野であるために自分が苦労されたところをなぞるように説明するという機会になったようで、とてもわかり易く、共感できるところも多くありました。

会社の中の関係って、人対人であっても立場に大きく影響されてしまうのだなぁ、と改めて思ったり、翻って、今の自分と部下の関係はどうだろうか、と思うのでした。特に自分のコア領域を離れた職掌を管轄するというのは、あまり任せきりでも下に負荷がかかるし、中途半端に口を出しても負荷がかかるし、難しいな、と。管轄が広がっていくと、部下に何かあった時に全面的に自分で何とかできる自信がある分野ばかりではなくなるわけですが、その組織が専門色強くなるにしたがってより難しくなっていくわけですね。。。