天職の舞台裏

天職と思って日々仕事をしてますが、その舞台裏で色々考えていること、あるいは水面下でジタバタしてることを書いています。

実家ばなし|耐震シェルター導入に向けて

実親が住んでいる家は、私が中学生の頃に建売の戸建て住宅を購入したもので、1978年築。自宅で個人事業(電気工事士)を営んでいた関係で、工具類を収納するためのスペースを増築していますが、その後は、同時期に開発された周りの家々が代替わりしたり、リフォームや建て替えがなされたりしている中、特に大きな修繕工事をすることもなく、少しずつ傷みが進む家のあちこちが気にはなりつつも、計画的なリフォームもできないまま数十年が経過してきました。

耐震対策のハードル

世間で耐震が大きく取り上げられるようになった流れの中で、多少気になって、2005年に自治体の耐震無料診断を受けました。築30年近くなっており、改修が必要とされたものの、引退後の年金暮らしでは改修費用の見通しを立てるのが難しく、その後特にアクションプランが立てられずに、そのままずるずると日が流れて来てしまいました。

以下の記事のインタビューにもあるように、高齢者にとっては、耐震が気になったとしても、なかなか100万とも200万とも言われる改修費用を思い切ることが難しいというのが実情かもしれません。

suumo.jp

国としては、耐震改修促進法において、耐震化が不十分な住宅の解消が目標とされているらしく、各自治体で耐震診断や耐震改修への補助がなされているようです。実家のある自治体でも、補助制度を用意しており、耐震診断を受けたけれどそのままになっている住民に向けて、耐震工事の補助の案内をしたりしています。

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近年、耐震改修工事に加えて、部屋の中に設置する耐震シェルターも補助の対象に追加されたようで、自治体から、工事が難しいようならシェルターを導入してはどうか、という電話があって、『どう思う?』と母から相談があったのが3月の始めでした。

自治体の担当に問い合わせをしてみたところ、補助金が30万上限で出ること、実績としては、安価に抑えられる木造シェルターが多いということがわかりました。一条工務店の「木質耐震シェルター」と、宮田鉄工の耐震シェルター『剛健』です。

宮田鉄工の『剛健』については、どうやら地元に代理店をしている工務店があるということがわかり、そちらに問い合わせをしてみたところ、確かに、高齢者が今の家に住み続けつつ、安心を買うには適当な手段だという結論にいたり、導入を決定。工務店の営業の方に実家を見に来てもらい、必要な手続や費用説明をしてもらったのが4月の半ばです。

導入するためのスペース確保

耐震シェルターは、既存の家とは接続せず、部屋の中に箱を置くようなもので、大きさとしては6畳の部屋の中に4畳半のユニットを置くようなイメージでしょうか。その昔、楽器の練習のために防音室を検討したことがありましたが、これだと座るスペースだけあればよいので1畳くらいからありますが、耐震ということで、寝室にするケースが多いようです。ベッドとTVくらいは置けます。ソファーまでは無理ですね。

実家は2階建ての戸建て4DKで、2階に2部屋、1階に2部屋あります。昔の作りなので、トイレは1階に1つあるだけです。私や妹が実家にいた頃は2階を使っていたのですが、今では2階は半分物置になっていて、貰い物?のベッドが2台置いてあり、季節によっては使っているようです。ただ、加齢とともにトイレが近くなっていたり、膝に支障が出たりしているので、できれば1階だけで暮らせた方が良い感じです。

1階の2部屋は、奥の和室を居間として使い、手前の洋室を事務所として長年使って来ました。往時は電気工事用の図面をCADで描いたり印刷したりもしていたため、スチール机やキャビネット、書棚の他、パソコンや大型のプロッターまで置かれていたものです。

父が徐々に引退して既に10年近くになるのですが、使わなくなったものの処分を一度にするのは難しく、昨年来整理もしてみましたが、中々進みませんでした。

今回耐震シェルター導入のため、この事務所部屋を全部空ける必要が出てきましたので、思い切ってスチール机家具類は、書類を保管している2段キャビネットのみ残して全部処分することにしました。当初、事務家具店に引き取りの見積りをしたところ、引き取りの作業代と移動のトラック料金で数万円になってしまったので、結局自治体の粗大ゴミに出すことに。

早速粗大ゴミの申込をして、その日程目指して中身を移し、男手動員して道の傍まで搬出。問題なく引き取ってもらえて、部屋はすっかりモノがなくなってがらんとしました。壁紙が薄汚れているのが目立って見えたり、床がぶよぶよしているのがはっきり分かるようになったり。

この後、床の補強工事をして、ようやくシェルターの設置が実現します。

生活の見直しへ

処分した机上には、長い間、パソコンやインターネットに接続するための終端装置や無線ルータが置かれていました。父は80歳ですが、50台の頃から自分でパソコンに取り組み、インターネット回線も導入して、仕事でもプライベートでも熱心に使ってきました。

数年来、徐々に物忘れが進行し、パソコンに向かうことも減ってきました。1年ほど前に、忘れることが増えてきたのでインターネットはそろそろ止めた方がよいのでは?と声をかけたりしてはみたものの、色々便利に使ってきたこともあって、止めることに抵抗があったのですが、ここ数ヶ月は接続の方法が思い出せなくなることも増えてきて、現実に使わなくなり、「もう止める」ということになりました。

この手のPC周り・回線周りは、これまで一手に父が取り回しており、母はまったく関与してきていません(分からないので全面お任せにしてきた)。すると、ネット経由でどこにどういう契約をしていて、支払関係がどうなっていて、というのが、父の記憶が怪しくなってくると、さっぱり分からない。

昨年来、「もしもの時に役立つノート」に主なものを纏めており、いやあのタイミングでやっておいて良かったよ、とつくづく思う昨今なのですが、それでも、その当時に既に忘れてしまっていたものがあったようで、年会費の請求がきてみて「これはなんだ?」となったり、びっくり箱状態が続いています。

中でも大きかったのは、ケーブルTV会社の光回線を使っていたところ、ひかり電話に切り替えていたことが見過ごされており、うっかり機器の接続を切断してしまって固定電話が使えなくなってしまったことでした。 f:id:senri4000:20170610123923j:plain なにしろ元々が電気工事士なので、ケーブル関係の取り付け・取り外しはお手のもの、DIY程度のものなら道具類もまだ処分せずに揃っていますので、『使わない』と思ったら綺麗に取り外して片づけてしまうわけです。

「これはいま中断しているだけで、この先こう使うから、このままにしておいてね」と言い置いて帰っても、覚えていられないことが多いので、見たときに気になると処分したり整理したりしてしまう。綺麗になって気持ちよいのだけれど、必要なものがどこにしまい込まれたのか分からない、という繰り返しが発生し、こちらもようやく学習して、その場に書いたものを貼り紙しておくようになりました(苦笑)。

この先、シェルターが設置できたら、中で暮らせるように厳選して家具や小物を配置し、それに伴って、1階部分を整理して、生活動線を見直して行こうと考えていますが、まだしばらくかかりそうです。