天職の舞台裏

天職と思って日々仕事をしてますが、その舞台裏で色々考えていること、あるいは水面下でジタバタしてることを書いています。

労働時間と密度

以前に書いたワーキングマザーとしてのエントリの中で、こんな風に書きました。

それなりの成果を出そうと思ったら、ある程度の量をこなさないと質がついてこないことを痛感したので、仕事量を落とすという選択肢は自分の中でなくなった(細々と続けるだけではそこに割いたものに見合うだけの見返りが実は得られないということ。閾値が存在すると思う)。

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これは、特に新しい分野の仕事に挑戦するとか、実務能力をステップアップしたいとかの局面で必須のように思います。ゲームでキャラクターのレベルアップをするために経験値を稼ぐようなイメージでしょうか。よく、達人になるには1万時間とか言われますが、総時間ではなくて、短期間の間に凝縮して相当量をこなす必要があります。密度が高くないとレベルが上がっていかない。

このような時期は、その要求量を満たすために、集中して仕事もするのですが、それだけでは追いつかなくて、1日の労働時間も長くなります。数ヶ月くらい連日夜中まで集中して取り組むと、ステージが1つ上がる実感が得られたりします。

こうした量をこなす仕事のやり方は、特に体力も気力もある若いうちにやっておき、レベルを稼いでおきたいものですが、うっかりすると、ここで長時間労働が習慣になってしまう恐れがあります。手応えもあるので、どんどん仕事量を増やしてしまい、毎日残業が続き、それが普通になって、周りを見てもなんだかそんな人ばかりだと疑問にも思わない。

日本の長時間労働は文化というか風度というかとても根深いと思いますが、上記のような一面もあるので、絶対やるべきでないとは思いません。切り替えの時期が重要なのだろうと思っています。

潤沢に時間が使える中で仕事をするというのは贅沢な話で、毎日定時に終了するのが絶対であればそのように仕事のやり方は変わってきます。リソースが有限であれば、全部やりたかったとしてもやることやらないことを切り分けて配分していくしかありません。

問題は、既に残業が習慣化している場合にどうやって強制的に切り上げるように仕向けるかで、上司としては、そのような仕事のやり方を身につけてほしい、そうでないと長時間労働前提ではステップアップしないと思うのですが、それをどうやってさせるのかは結構難しいです。

仕事のやり方の問題なのか、業務量が単純に多いのか、その混合なのかを見極めるのも難しいですし、すべての仕事のやり方が見えているわけでもありません。既に5年以上同じ仕事をしている中堅になってくればなおさらです。

とはいえ、ここで間違えて業務量を減らすだけに終わったり、長時間労働でも仕方がないと諦めてしまっては、作業ステージから意思決定ステージに上がれません。自分で全ての実務をこなす担当者から報告提案を受けて意思決定するマネジャとの違いは色々あると思いますが、なかでも短時間で要点のみの情報で決めることは必須です。そのためには頭が冴えている必要があり、毎日長時間労働していては的確な決定は難しい。

強制的に時間を指定して帰宅させるなどの方策を取り入れつつ、仕事の結果だけでなくプロセスを棚卸しして絨毯爆撃方式になっているとか力技に頼っているところを見つけて改善できないかやってみるのを繰り返してみます。これは、上司との間でするのも、先輩や同僚との間でやるのもスキルの共有とともに発見があって効果があります。

などと、改めて人事から指導があったりして指導を入れつつ、スキルマップを作る過程で仕事のやり方が見えてきたりして思うのでした。