天職の舞台裏

天職と思って日々仕事をしてますが、その舞台裏で色々考えていること、あるいは水面下でジタバタしてることを書いています。

コース別人事に思う

男女雇用機会均等法ができたときに、多くの企業(特に大企業)では総合職・一般職といったコース別人事制度を導入していて、今でも存続しているところが多いと思います。前者が基幹的業務に従事し、後者は補助的業務に従事するとされていて、大きな違いの一つに転勤に応じられるかどうかがあります。

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コース別人事制度前には男性社員・女性社員別で雇用管理していたところへコース別人事制度を導入したため、総合職の多くは男性で、一般職の多くは女性であると言う傾向があります。とはいえ、女性であっても総合職に応募することは可能になったため、大卒女性にとっては、就職時に自分が総合職で働きたいのか一般職で働きたいのかの決断を迫られる格好になっているのではと思います。

企業の側からすると、投資対効果の観点からより長く働いてくれそうな人を選別したい思いがあり、辞めるオプションが少なそうな男性を採用したい、女性を採るなら男性的な働き方をして欲しい、ということからか、踏み絵のように「転勤はできますか?」とか「こういう厳しい場面も出てくると思いますが大丈夫ですか?」といった質問がなされたり、コースの説明で覚悟を問われてしまい、「やっていけるだろうか」と自問するような事項があるようにも思います。

しかし、実際のところ、自分がどちらに向いているのかというのは働いてみないとわかりません。会社にもよりますし、配属された職種にも大きく左右されます。でも、中に入ってからのコース転換は、用意されてはいるものの、要件がけっこう厳しいことが多いように思います。会社としては、コース別に人員計画や育成計画を立てており、入社後の研修メニューも違っていたりもして、簡単に往き来ができるようでは計画が狂って面倒な事態になるということでしょう。

すると、入社して2~3年働いてみて、「これは思っていたのと違った」という結論になった場合、同じ会社でコース転換することを試みるよりも、別のコースへ転職をするという選択肢の方が現実的になるようです。3年以内なら第二新卒で入社も容易なため、特に総合職から一般職への転換をするケースは多いように思います。会社側も、一般職はこうしたケースを含めて第二新卒の方が「良い」人材を採用できることが多いとみているのか、通年採用が増えているようです。

まわりでもそういう話をしばしば耳にするようになっているのですが、そこまで激しい働き方はできない・したくないけれど、補助には止まらない提案も企画もできるという人がこの2コースではこぼれ落ちてしまうよな、と思うのでした。企業によっては「無限定」の総合職だけではなく、転勤はしない等の「限定」総合職を設けているところもあるようですが、コース場増えると人事管理の負荷は増えるため、踏み切るのは難しい会社も多そうです。

企業内で専門職能集団を率いていると、単純な補助なんてそうそうなくて、本人の意欲も高くて色々企画的な仕事もしてもらったりするのですが、いったん一般職コースにはいってしまうと給与面の差が大きく、給与に見合った働き方をさせるべきなのか悩むのでした。