天職の舞台裏

天職と思って日々仕事をしてますが、その舞台裏で色々考えていること、あるいは水面下でジタバタしてることを書いています。

母のケアプラン

少し前に「アシタノレシピ」にタスク管理観点でのライフイベントとして介護周りについての寄稿をしました。

www.ashi-tano.jp

この記事の中で、

長年住み慣れた家で、道具や人の手をうまく借りつつ、楽しみを取り入れて穏やかに暮らしていけるようになるのが介護プロジェクトのゴールではないかと思います。

と書きました。現在の母の状態(要支援2で介護予防サービスに支えられながら一人暮らし)がまさにこれになっていると思いますので、久しぶりに記録を兼ねて書いておこうと思います。

圧迫骨折3箇所で要介護2

以前まとめて書いたように、母が腰椎の圧迫骨折と診断されたのが2017年の7月。このとき2箇所だったのが9月に胸椎にも増えて3箇所になり、コルセット生活になりました。慌てて介護認定を申請し、日常生活に相当困難が出ていたこともあって、11月に出された認定結果は「要介護2」でした。介護認定を申請する前に「総合事業サービス(緩和型サービス)」を利用していたこともあって、認定期間は1年間でした。

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コルセット生活はかなり長く続きまして、はずして良しとなったのが2018年の1月半ばでした。2017年の年末ごろは、母の物忘れも酷くなっていて、認知症の診断を予約したりしていたのですが、どうやらこれは骨折で身動きが取りにくくなっていて行動が制限されてしまったせいが大きかったらしく(また、おそらくは、父が亡くなったことで、かえって「しっかり暮らさなきゃ」と思ったのではとも思います)、コルセットが取れる頃には気力も充実してきて文字を書くこともしっかりできるようになるなど、よい調子になってきました。

父とセットで組んでいたケアプランを、父が亡くなってから組みなおし、一人暮らしになるため見守りを兼ねて、ヘルパーさん(火曜AM&PM・木曜AM:1回45分)と訪問リハビリ(月・水・金:1回20分)を設定、1週間に1日Full Dayのデイサービス(土曜)を導入しました。また、法要や納骨関係の相談、名義変更や相続周りなど一人になってからの生活基盤を整える必要もあり、この頃は毎週日曜に妹と私のどちらかが実家を訪問し、誰か彼か1日に会って話ができる体制を取っていました。 f:id:senri4000:20190420111807j:plain 四十九日の法要を終えた2月~3月頃は自分に疲れが出まして、実家訪問ペースが落ちたり、母が調子を取り戻しつつあった結果こちらに相談してくれず自分で判断して行動し、結果が不明になる(控えも記憶も残ってない)などということが起こったりもしましたが、そうそう長く毎週実家に行く生活も続かず(通える距離といっても20Kmくらいは離れていますし、週末の予定だって入れたいですよね)、隔週に落ち着きつつありました。

母の骨折状態は3月ごろにはかなりよくなっていて、散歩の頻度や距離も伸びており、それに伴って精神的にもとても安定してきて、動けるって大事だなぁとしみじみ思ったことでした。

そして、状態の安定とともに家の中でできることも増えてきて、中腰で作業するのは相変わらず厳しいものの、洗濯物を取り入れたり、食事の用意をしたりといったことには支障がなくなり、かえって自分流を通したい欲求のほうが強くなってきたため、8月以降は火曜PMのヘルパーさんは中止することに。

通院

整形外科の定期受診

はじまりが圧迫骨折であるため、実家近くでMRI設備を持つ整形外科を探して通院しています。コルセット生活を続けて骨はくっついたものの、骨密度が相当落ちていることが原因であり、転んだらまた折れるだろうし転ばなくても折れてもおかしくないと指摘され、2017年8月から骨を強化するための薬(フォルテオ)を処方され、継続しています。自分で毎日下腹のあたりに場所を変えて注射するものです。28日ごとに処方され、2年間継続します。

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忘れずに自分で接種すること、どこに接種したのかを記録することを毎日継続する必要があり、最初のうち指示内容を間違えたり、記録の日付を間違えたりなど紆余曲折ありましたが、慣れてくると難なく日常に溶け込んで実行できるようになりました。一人暮らしのため、服薬時に声をかけることが難しいですから、物忘れがここに及んでいないのは助かります。

まじめに継続して接種した成果か、骨密度の検査や血液検査でも骨の強さの指標に向上が見られ、先生に褒められて得意そうな母です。

内科の定期受診

かなり以前から血圧が高く、内科を定期受診して薬を処方してもらっています。観察のため、家には血圧計があり、毎朝毎晩計測して記録し、通院時に血圧記録ノートを持っていき、医師に確認してもらった上で薬の種類や量を調整してもらっています(季節によって波があるようで、いつも同じ薬を同じだけというわけにいかないようです)。

自分で車を運転して通院するのが難しくなってから、通院の送迎がネックになっていたのですが、現在は、28日ごとの整形外科通院に合わせて内科も受診し、血圧のチェックとともに気になるところはその場で相談するように組んでいます。(ここまで来るには、整形外科の通院頻度がもっと高かった頃があったり、血圧の薬の残量がうまく調節できなかったり、頻繁に母から医者に行きたいコールがあったり色々ありました)

不定期の通院

通院送迎は、介護サービスの範囲外であるため、ヘルパーさんに頼めないのが痛いところです。一人で行けるように、タクシーのシニア会員サービスも申し込んでみましたが、調子が上向いてくるまでは一人で出かけること自体が難しかったです。ようやくここ半年くらいになって、自分で婦人科に受診に行ったり、眼科に行ったりできるようになりました。土曜の午前に受診のために実家に行くとか、平日さらに休みを取るとか、柔軟にするのはなかなか難しいので、うまく定例に組み込み、例外は自分で動けるような体制が重要かな、と思います。

更新で要支援2

更新の訪問調査

介護認定の期限が2018年の10月末ということで、9月には更新の申請をケアマネ さん経由で行い、改めて調査員の訪問がありました。普段同居して観察しているわけではないため、事前に母に状態を聞き取りしてから調査員訪問に立ち会い。

当時の週のまとめ記事(9/3〜9/9 今週のまとめ (2018-W36))にはこんな風に書いています。

前回は骨折したばかりの頃で、相当不自由が出ていたのですが、この1年弱で随分良くなったな、と思います。骨密度も上がってきているし、前屈も以前に比べると見違えるようにできるようになりました。

とはいうものの、やはりまだ寝る・起きるのところは手すりの力を借りても相当大変そうで(とは言っても以前は足が全然上がらなくて長い時間かかっていたことを思えば随分良くなりました)、立ち上がるときも支えは必要だし、歩くにはあちこち伝い歩きをする必要はあります。屋外では杖かシルバーカーですね。

そして、実際の訪問調査でも、やはり回復が著しい、何と言っても一人暮らしができていることが評価のポイントとなったのでした。介護認定の要素は、どれだけ介助が必要とされるかの尺度になるので、日常生活の起居に他人の手をいちいち借りなくてもよくなっている(一人だから借りようがないんですが)というのは、衣服の着脱にも父の手を借りる必要があった前回と比べると大きな違いなんですよね。

ケアプランの見直し

訪問調査後、ケアマネさんからは、

要介護1と要支援2の分かれ目は割と小さいので、どちらに転ぶか分かりませんが、かなり回復しているのは確かなので、要支援2で想定しておいた方がいいでしょうね。

と聞いていました。そして結果、やっぱり要支援2。今回は、期間は3年間です。10月のまとめ記事から引用しておきます。

かなり足取りもしっかりしてきていますし、腰が伸びない・曲がらないので、高い所・低いところの作業ができない不自由は継続していますが、その他の日常生活は相当自由度が増しており、それが本人のメンタルにも好影響を与えているのがよくわかります。意思決定の力も復帰してきて、日常生活の中で自分で決めて周囲に働きかけるといったことが普通にできるようになってきました。

介護保険の範囲で使える介護サービスの範囲(上限)がかなり変わります。一人暮らしを支える見守りは確実にしたいという要請があり、かなり頑張ってケアプランを立ててもらいました。

上記のように、介護サービスとしては、これまでヘルパーさんを週2回(1回あたり45分)、訪問リハビリを週3回(1回あたり20分)、デイサービスを週1回(1日)で月曜日から土曜日まで何かしら入ってもらえている状態を作っていました。ここで、訪問リハビリの単価が高いらしく、要支援2では回数維持ができなくなり、週に2回に減らしました。それだけだと全く予定のない日がもう1日できてしまうところ、デイサービスをもう1日増やせないかという要望が母から出て、空きがあればなんとかギリギリいけそうだという結論に。この時点では空き待ちしたが、年明け1月から通えるようになりました。

デイサービス

当初は週に1回土曜日、2019年1月からは週2回に増やして水曜日と土曜日にデイサービスに1日通っています。小規模デイケアということで、定員は14名(多少融通させて、定員超過して数名いらっしゃるようですが)。民家を改造されたもので、お風呂は介護ができるようにリフォームされて広々と使えるけれど、トイレが1箇所しかないのが玉にきずというのが母の説明です(残念ながら実地検分していないので全部又聞き)。

朝8時半ごろに玄関先まで車で迎えに来てもらい、夕方5時過ぎに送ってもらいます。2台で数人ずつ方面を分けてスクールバスのように順に回っているらしく、母によれば、

狭い田舎道をいつも上手に取り回して運転していてほんとうにすごい。初めてのところは迷わないように、立ち往生したりしないようにやっぱり事前に下見に行くらしいよ。

だそうです。年齢も幅広く、大正生まれの方もいらっしゃるとか。午前中に順に入浴させてもらい、お昼ご飯をいただき、頭脳系の活動、指先を使う活動、運動系の活動、お楽しみの外出など、色々工夫されていて、母は「1日行ってくると疲れてしまう」と毎回言いつつ、とても楽しそうです。季節感を感じられる行事も多く、お誕生日を祝う催しもあったり、これらを家族に報告するためのプリントも配布されていて、全体として私が思うのは、「保育園に似ている」ですね。既視感があります。

母は、コミュニケーションを取るのは得意な方で、色々な話を色々な方としてきて聞いたこちらがびっくりしたりするのですが、気を使う方でもあって、初めてのところだと気疲れしてしまう傾向にあります。1月から水曜日が増えたところ、メンバーが土曜日とは違うこともあって、

騒がしくて疲れる。大きな男の人がいて圧倒される。やっぱり土曜日1日だけでいいかもしれない。水曜日は家でゆっくりしても・・・。

などとまだ1回しか行ってないのにこぼしていたのですが、こちらが「土曜日の時も最初は慣れなくてそういってたけど、だんだん慣れたら楽しくなったじゃない。話もできるようになったよ。」と励まして、頑張って何度か重ねるうちに慣れてきて、「大きな男の人」の事情もわかって話が色々できるようになり、楽しめるようになってきました。案の定です。

今でもやっぱり疲れは出るらしく、翌日はぐったりしてしまうので週1回で十分じゃないかとか言い出すことはあるのですが、総合するとどう考えても人と触れ合う回数はできるだけ確保しておいた方が刺激になって良いに決まっているので、なんとかかんとかその度に励まして継続する方向に仕向けています。

散歩していると言っても、ヘルパーさんや訪問リハビリの先生が来てくれると言っても、1日のうちわずかな時間ですから、体や脳への刺激は絶対量が足らないので、色々な活動をさせてもらえるデイサービスはとても貴重なのです。