天職の舞台裏

天職と思って日々仕事をしてますが、その舞台裏で色々考えていること、あるいは水面下でジタバタしてることを書いています。

母の記憶の補助線

母は今年85歳、昨年初めに父が亡くなってからは介護サービスのお世話になりながら一人暮らしを継続しています。私や妹が住んでいるところからの距離が20Km弱で、車だと30分くらいで行けるので、何か緊急の呼び出しなどあればなんとか対応できると思っています。

腰椎や胸椎の圧迫骨折から整形外科を定期受診していて、先日ついに骨形成促進薬「フォルテオ」の2年間の毎日自分で接種する期間が終了しました。頑張った甲斐あって、骨密度や血液検査の数値も改善しており、このまま順調に推移するといいね、といったところです。足がむくみやすいとか、わき腹に痛みが出るとか、目やにがひどいとか、年齢相応で仕方がないね、という症状はあれこれありますが、クリティカルなものが軽減して日常生活が送れていることがありがたいな、と思っています。

年齢相応と言えば、物忘れはやっぱり激しくなっており、言っただけで覚えておくというのはまずできません。認知症の症状っぽくはないと思いますが(父の症状と比べております)、短期記憶を長期記憶に定着させていくのが難しい感じに見えます。

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本人もその辺理解していて、書くことで補助線を作り、支障がないように回しています。これも、ひところと比べると、書くのに困難が減って、本人も意欲的になっているのがよい感じです。忘れてしまうので、メモを作っておいた、ということが多いです。

先日は、お盆の合同法要で息子2号に会った時に、「今度海外に行くんだって? どこに? いつからいつまで?」と聞き、「おばあちゃん忘れちゃうんで、ここに書いてくれんか」と頼み、手帳に書かせていました。そして、自宅に帰ってきてからそれを見て、カレンダー(母の家の台所には、予定がたっぷり書ける大判のカレンダーが掛けてあります)に出発日と帰国日を記入したようです。毎日カレンダーを見て予定を確認しているので、出発の日には「今日出発だったよね?」と私の携帯電話にこちらは仕事中だというのにのんびりした声で電話がかかってきて、何事かと思って電話に出て肩すかしをくらいました。

息子2号がニュージーランドに行っている間には、グーグルマップを見せて、オーストラリアとニュージーランドの位置関係を確認したりしました。(どうやら、ニュージーランドと聞いて、オーストラリアをイメージしていたようです) 拡大・縮小機能を使って、行く先の空港やらホームステイ先、働く場所なども見てみたり、送られてきた写真を併せて見て、なるほどなるほど、とか言っています。

2~3週間に1度程度で実家を訪問していますが、その時にやってほしいことというのもあるようで、行ってみるとメモ用紙にやってほしいこと、確認したいことがリストアップされていることもよくあります。突然その日に行くのではなくて、前日に予告の電話を入れておくのがよいようです。

このように、記憶の衰えを視覚で補うのは割合うまくいくケースが多く、気をつけていればOKかな、と思っています。反面、聴力がかなり衰えていて補聴器を使っているのですが、電話でのコミュニケーションは、音声だけになってしまうため、うまく通じないことが多いんですよね。文字や写真を混ぜて遠隔でコミュニケーションが取れると随分違うんでしょうが、スマホやタブレットを今から操作してもらうのはハードル高すぎて断念しています。

ということで、やっぱり小まめに様子を見に通ってその場で視覚情報も使ってコミュニケーションするのが良さそうだな、と思うのでした。もう少し若いうちにスマホが普及していれば違ったかな〜とも思うところです。Zoomでビデオチャットとかできたんでしょうけど。そして、もっと遠くなら、頑張って環境整える方に行くんですが、この距離だと行った方が確実で早い、となるんですよね。