天職の舞台裏

天職と思って日々仕事をしてますが、その舞台裏で色々考えていること、あるいは水面下でジタバタしてることを書いています。

展覧会と「美学への招待」

今年の健康診断がつつがなく終了した(万歳!)ので、1日とった有休を有効利用すべく、地元の美術館に。

開催中の現代アートの展覧会を見て、ミュージアム・ショップ(特設・常設)をじっくり眺め、Tシャツとエコバッグを特設で買って、常設では関連書籍を見てきました。

現代アートって、正直美しさに打たれるというよりは、わけわからないものが多い印象が強くて、長いこと興味を惹かれなかったのですが、ここ数年、狙ったわけではないけれど目にする機会が増えており、タイトルや作品に対する作者の思いを読んだり聞いたりしてから鑑賞すると、案外入り込めて好きかも、とか思うようになりました。インスタレーションとか、プロジェクションマッピングとか、映像作品とか、絵画以外のものの方が楽しめることが多いです。

面白いのは、映画が非常に苦手(感情が揺さぶられすぎて気持ち悪くなったり怖くなったりして体調に支障が出る)なのに、映像作品が割と好きだということですね。映画館と違って大音響の映像作品とかはないし、スケールを楽しむものではなくて、むしろ細かいところの効果を面白がるものが多いので、素直に楽しめるのかも。

ということで、もっと積極的に、各地の芸術祭とか、企画展とか、常設展とかも行ってみたいなぁ(ギャラリーとかも?)とか思ったりしました。そういえば、去年外部活動の合宿で高松に行ったときに、思い立って島にも足を延ばしたのですが、島々が瀬戸内トリエンナーレの会場になっていて、男木島のいくつかの野外アート作品を見て面白かったのでした(ありゃ、珍しく過去記事がない)。

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そして、常設展では、現代アート中心なのか?の季刊誌を見つけて購入。芸術祭の特集とか、現代アート作家のインタビューとかも載っていて知らない世界で面白いです。定期購読してみようかしら。そして、この中で知ったのですが、美術検定なんてのもあるんですね。体系だった知識を仕入れるのにはいいかもしれない。

さらに、常設ミュージアムショップでは、この季刊誌の脇に美学関係の書籍がいくつも平積みにされており、その中の「美学への招待(増補版)」に惹かれてまえがきを読み、その場でこれは買い!と思って買い込んだのでした。(いつものように、電書版がないかチェックしたところ、初版はあるけど増補版はなかった。7月に出たばかりなのでもうしばらくすると出るのかもしれないけど、待てないし)

「美学」の英語は"aesthetics"なのね!ということが今更わかったり、第一章を読んだら「ごく簡潔に言うなら、美学とは18世紀中葉の西洋において提起された、美と藝術と感性を主題とする哲学だ」と書かれており、これまた今更「あ、そうなんだ!芸術の哲学なのね!美とは何か、だけにとどまらないのだな?」とか思ったり。少し前に感情とは何か、と行った言説を色々調べておりましたが、ここに通じるものがありそうだ、というのがわかったり。また、しばらく前にLanguage artsについて色々インプットしておりましたが、こちらにも通じるところがありそうだ、ということがわかったり。

要するに、今までこうかな?ああかな?と思ってウロウロ考えたり調べたり悩んだりしていたことの中核がここにありそうな気配があり、読みながら非常に興奮しているのでした。読み始めたのは美術館に併設されているレストランの中で、まだ読み終わっておらず、ああもう紙の本て不便(電車の中で読みにくいし、なんならエレベーターとかトイレとかで隙間時間に読めないし!)、とか思っているところです。

もう少し他の入門書も読んでみたいな、英語版も読んでみたいな、適当な大学のオープンコースはないかしら?などと考えております。

そういえば、高校の頃、ピアノを続けるか(=芸術系を目指すか)普通に大学に行くかを迷っていたときに、折衷?として美学科ってどうかしら?と一瞬思って調べたことがあったな、と懐かしく思い出しました。結局は、「それで食べていくのって難しそう」と思ってあまり追求しなかったのですが、昔から興味はあったということかもしれません。ずいぶん大回りして帰ってきたことになるのかな。

なんというか、感性に訴えるものを言葉で説明できるようになりたい、そのための方法論を仕入れたい気持ちが強くあります。ただ感じればいい、じゃなくて、語り合いたい。共有するには、言葉が必要。どう考えるのか。道具としての言葉を手に入れたいと思います。