天職の舞台裏

天職と思って日々仕事をしてますが、その舞台裏で色々考えていること、あるいは水面下でジタバタしてることを書いています。

株主総会本番無事終了

4〜5ヶ月かけて準備してきた株主総会の本番が無事に終了いたしました。

リハーサルの際に関係者に配布した実施要領の中で、今年の株主総会の特徴は「Withコロナの株主総会」である、と強調したのですが、全くもってスケジュールの変更から始まって会場変更・運営設営方法の変更までコロナに支配されて考えざるを得なかった総会でした。

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6月半ばから末へ延期

スケジュールの変更については、検討はしたものの配当支払いとの関係でハナから6月を超えて延期することは考えない方針であったため、10日ほどの延期で済み、しかも要因が海外子会社の監査スケジュールの遅れであったために正式な?監査前の決算にはほとんど影響がなく、決算発表はオンスケで行ったため、事業報告作成・招集通知作成サイドとしては余裕が出て多少楽であったくらいでした。

結局集中日をさらに超えて29日まで引っ張ったのですが、日程については、来年以降どうしようかが終わった途端に悩ましいところです(会場関係もあり)。

自社施設に会場変更

ホテルの集会場部分が休業要請の対象になったことに加えて日程の延期をしたことで、新たに会場を探すより現実的な自社施設への会場変更を決定しました。

5年ほど前まで数年間は自社施設内で総会&懇親会をやっていたこともあり、関係者も「まあ面倒だけどできるでしょう」くらいのつもりだったわけですが、いかんせん、当時よりも施設内の備品什器が増えている上に社会的距離の確保が要請される現状では、会場設営に非常に苦労する(席数の確保が大変)ことになりました。

新型コロナ感染拡大防止のために、事前の議決権行使で来場自粛を強く推奨・懇親会を取り止め(後述) たことにより、(懇親会を開催しなかった)数年前の臨時総会並みの人数で収まるだろうと社内では予想していたのですが、準備期間中に感染者数が減少して緊急事態宣言が解除される中、「それでも来たい株主は来てしまう。それを追い返すのは困難」という弁護士指導もあって、第2会場を用意しました。

これまで予想人数を上回って来場株主が増えたことはなく、数年来漸減傾向であったこともあり、第2会場の準備をやった経験がなく、双方向通信を準備して第2会場でも質問が普通に受けられるようにしましたが、機材トラブルはあり得るだろうということで、トラブル練習のリハーサルもやったりして、事務局・第2会場係の胃も痛くさせてしまったのでした。

蓋を開けてみたら、当地区のトレンド通りで、来場者数は9割減となり、第1会場も半分埋まらない状態で、「第2会場開けなくてよくて本当に良かったです」とあちこちで言われました(リハーサルで詰めてごめんね・・・)。

ホテルの休業要請は解除されましたが、例年お願いしていたホテルは集会場部分の営業再開をしない(宿泊特化)決定をされてしまい、来年以降の会場探しは白紙に戻ってしまいました。日程と懇親会の有無とオンライン化と諸々併せて会場検討する必要があります(終わったと思ってホッとする間もない)。

懇親会の取り止め

例年ずっと開催してきた定時総会後の株主懇親会は早々に取り止めを決定しました。会社が小さかった頃から応援して株を長期保有してくださっている株主さんが多く、役員と直接話ができる懇親会を総会自体よりも楽しみに来ていただいているのは運営側も承知しているところ。中止を決めたのは、まだコロナ禍がさほど拡大する前、バイキング方式のレストランでの感染例が出ており、「3密を避ける」が言われだした頃でした。参加株主さんも高齢化が甚だしく、どう考えても感染防止の観点からは中止のほかありえないよね、という判断でした。

今後の新型コロナ感染の動向がどうなっていくのか、ワクチンが普及して元のように3密会場でバイキングでもOKになるのかさっぱり見通せませんが、今のところ主なホテルのビュッフェレストランは再開している様子が見られませんし、これを機会に来年以降懇親会を復活させるのか、もう従前復帰はせずに他の対応を考えるのかは宿題となりました。

役員が現場に揃わない

地味に影響があったのが、大半の役員の参加をリモート(Zoom参加)にしたことで、4月の取締役会以降3回重ねて役員の皆さんも随分と慣れていただいてスムーズに接続・ディスカッションできるようになってきましたが、ITに不慣れな方も多くて何かしら毎度トラブルがあり、サポートの情シス担当者はリハーサルのたびに「胃が痛い」とこぼしてました。

接続自体の問題がなんとか解決してスムーズに運ぶようになっても、一堂に会さない関係で、ちょっとした確認をその場でしてもらうとか、何より議事録の押印は方向性が見えない状態で数ヶ月止まったままになっています。そのうち収束して集まれるようになったらまとめて押せばいいよね、となんとなく思っていたのだと思いますが、よく考えたらこれで役員交代してしまったよ・・・。最後はやっぱり郵送か。

緊急事態宣言は解消して一応県境を越えた移動もOKになっているわけですが、東京を中心とした感染の拡大状況を見ていると、まだ従前のように一堂に会しての取締役会は無理そうで(相当大きい会議室で間隔空けないとダメでしょうし)、7月もまだオンライン開催を予定しているところです。

株主総会へのオンラインでの役員参加は、時代の流れを考えると今後も視野に入れておいて良いと思うのですが、今回については「緊急事態」であるため、接続してそこに顔が映っていればよし、 としました。リハーサルでは、Zoom越しに指名質問もやってみて、うまく回答もしてもらうことができましたが、本番では同様の質問は会場で捌いてもらい、特に補足も求めませんでした。

平時にもオンライン参加を普通にすることを視野に入れるのであれば、想定問答のオンラインでの手元配布や、オンラインでの事務局との相談などの実現をある程度まで行っていく必要があります。ある程度のガイドラインを事前に共有するとしても、その場でどこまで答えて良いのかは悩ましくなりますし、手元資料として適切なものを事務局で用意したいニーズも高いです。補足程度を自分の言葉で語るだけ、と割り切る方法も含めて、ここは検討が必要かなと思っています。会場に揃っていただいた方が運営的には楽なのは間違いありません。

バーチャル総会は?

定時株主総会が、株主との対話の場であることが強調されるようになってきたここ数年です。コロナ禍で来場自粛・事前の議決権行使をお願いするのであれば、来場して得られるものを事前にオンラインで提供するべきではないか?という課題がありました。ひとまず、当日上映する事業報告動画(ナレーション付き)を短縮版にする代わりに通常版も並行作成し、事前に公開することにしました(慣れないことをやったせいでこれはこれで大変でした。担当者に無理をかけました。どうもありがとう)。

バーチャル株主総会のガイドラインが出たりして、議論が盛り上がっていたことでもあり、ライブ配信(参加型のバーチャル総会)の可能性の検討もしたのですが、今回の総会は感染拡大防止の観点から短縮運営の要請もあって、これとライブ配信とは方向性が逆(当日の充実があってこそ配信する意味がある)、ということで断念しました。

懇親会の今後の開催をどうするか、にも関わってきますが、遠方の株主さんに対しても対話が可能になるという点では、オンラインで参加してもらえるのは意義があります。そのために、株主であることを確認してログインし、視聴できる仕組みの手当、質問を受けて回答するシステムなど、検討事項は多くあります。招集の電子化が決まったことで、全体が電子化に向かっていくことは明らかなので、いつどういう形で変化させていくのかが今後の検討になります。

今後に向けて

色々新規な試みを入れていきたい野望は多いのですが、何しろ大勢が関わる大きなプロジェクトであるため、 新しいことは1年に1つずつやろう、というのが基本スタンスになっています。

今年は全部新しいことになっちゃいましたけどね

と総務担当に笑われましたが、まあ、そういう点で今年の新しい試みとしては、役員のオンライン参加であって、あとは会場変更に伴う諸々がくっついてきただけとも言えるかな、と思ったりもしたのでした。