天職の舞台裏

天職と思って日々仕事をしてますが、その舞台裏で色々考えていること、あるいは水面下でジタバタしてることを書いています。

2020年の働き方

毎年恒例の年次レビューの季節になりまして、恒例のガジェット・小物カテゴリーから手をつけようかな、と思ってエントリを読み直していたところ、大半が新型コロナに対応して働き方が変わったから(テレワークが中心になったから)だよね、と思い至りました。

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ということで、これまでなかった振り返りカテゴリ?として、「働き方」を立ち上げることにします(大袈裟)。2020年の仕事、じゃなくて、働き方です。はい。

始まり

感染の広がりによって、勤務先にテレワークの号令がかかったのが3月の後半で、私自身は3月23日から開始しているようです。

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この記事の週(W13)のまとめ前週(W12) のまとめ3月のまとめに経緯やその時点の所感などを書いています。

今週、部下の一人が

テレワークが始まった頃、「こんな風だった」と思い出して、すでに懐かしくなっていることに気づいてしみじみしました

と言ってたのですが、全くです。読み返すと、そうか当初はこの辺が大変だったのだな、と。今となっては解決済みのあれこれだったりしますね。

特に初期は、ツールがSlackオンリーだったこともあり、会議がうまくできなくて、会議のためにオフィス出社とか普通にありました。社外との打ち合わせもネックになっていました。この点は、4月半ばにZoomが導入されて解決しました。テレワーク中の暫定運用という触れ込みだったことを自分の記事を読んで思い出しましたが、暫定じゃなくなったテレワークで一体どうなるのやら。

コミュニケーション

現在の働き方は、最近まとめたこちらの記事の通りでして、普段の社内コミュニケーションはSlack上のテキストチャットです。

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テレワークが始まった当初は、Slackの使い方もみんなが慣れなくて、目的別(部内・課内・プロジェクトなど)に作られたチャンネルとダイレクトメッセージ(個人宛・複数人のグループの両方ができるが人の出し入れはできないのでグループが乱立しがち)の使い分けがうまくいかなかったり、メールのように上長にccを入れるといった使い方がやりにくいので担当者に一対一でメッセージを送ってその担当者が対応に追われる、上長には見えない、といった事態が発生していました。

部内のコミュニケーションは、DMを使わずチャンネル上でメンションをして行うように強く指示をしているのですが、関係ないメンバーにも見えるところで相談する・指導するというのは抵抗がある向きもあって、徹底が難しいところがあります。実際見えないところでDMが横行していても分かりませんし。チームの中でのコミュニケーション・指導も見えない形になりがちで、人事考課がやりにくくなった、と課長職がぼやいてました。

このようなDMばかりになる弊害さえ乗り越えれば、オフィスのあちこちで個別に口頭で話をして進めていたものがテキストで詳らかになる効果があり、全体をざっと俯瞰しておきたい上長としては従来の働き方より分かりやすかったりします。従来型の机の配置だと、私の席だけ離れているので、全部の会話を耳に入れるとか様子を目に入れるとか無理でした。

テキストでのコミュニケーションの得意不得意はどうしてもあって、口頭ベース・電話ベースで色々進めてきた人にとっては面倒で時間がかかることのようですが、仕事柄、テキストコミュニケーションスキルはちゃんとできないと困りますので、この機会に伸ばして行ってもらおうというところもあったりします。タイピングスキルの問題もあるようで、ベテランになるとちゃんとタッチタイピングができないままに今に至るのでタイポがものすごく多いとかあったりして、個人的には非常に気になったりしますが。。

Slackデフォルトになってから、忙しくて捕まえるのが難しい役員クラスとコミュニケーションが取りやすくなりました。会議中であってもテキストメッセージくらいは飛ばせるので、電話をする暇もない、メールは見逃しが多かったような人とも密にできて物事が進むのが早くなったように思います。相談も持ち込まれやすくなったので、お互い様なのでしょう。

打ち合わせ

先週、出社していた部下が、

ものすごく久しぶりに「密な会議」をやりました。

と笑っていました。前日に至急開催を要請された打ち合わせで担当をアサインしたら他部門も含めて全員がたまたま出社シフトになっていたので、オンラインでつなぐ先もなく、会議室で普通に打ち合わせをしたとのこと。こんなことは本当に珍しく、会議を招集すると全員がテレワークまたは一部の人がオフィス出社ということになりますので、デフォルトでオンライン会議となっています。

大人数の定例会議系は事前にZoomの会議情報が送られてきます。社外の方々を含むものも同様です。

ネットワーク負荷の関係もあって、ビデオ会議ではなく音声通話+資料共有がデフォルトで(Slackではビデオと画面共有は択一的だし)、この数ヶ月でビデオ会議で顔を出して行ったのは、人事面接の面接官をやったとき、内部調査でヒアリングをやったとき、社外との打ち合わせで先方がビデオONだったとき、くらいですね。10回もないような。

久しぶりにビデオONだとなると、まともな服を着て(普段はスポーツウェア)、化粧をして、背景に気を使わないといけないのでちょっと面倒と言うか何か忘れそうです。先日も、

和室なんですね〜

と言われてよくよく自分の背景を見たら襖が映ってました。

最初のうち、オンライン会議だと話し出すタイミングが難しいような感じだったのですが、これはもう慣れですね。音声オンリーでも、何かしら声を上げて(名乗るとか、すみません、とか、いいですか、とか)一旦待つということが定着して、発言がかぶることもほとんどなくなったように思います。

ただやっぱり、表情の機微を見たい人事系の面談はビデオはあったほうがいいなぁとは思います。表情の変化を見つつ質問をすることができますもんね。そういう意味で、ビデオがあれば、特段対面でやる必要はないかな、と思います。夫などは面接のために出社したり大事な商談なので対面じゃないと、とか言ってますが、そんなの一緒じゃん?とか思う私です。遠方の拠点の社員とヒアリングがすぐに設定できて出張いらずで非常に便利になりました。TV会議設定より断然簡単ですしね。

セミナー類

緊急事態宣言の頃にはすべてのセミナーが中止になるかオンラインに移行しました。その後一部は集合式に戻りましたが、まだ大半はオンライン形式で実行されているように思います。また、ライブセミナーでなくオンデマンド型の配信も増えました。

これまで集合型の講演タイプのセミナーしかやってこなかった人々が一気にオンラインで試行することになり、不慣れな感じが大きかったですし、進行についても千差万別というかうまくオンラインの良さを生かせているものもあれば、これだったら別に時間決めてリアルタイムにする必要ないじゃん?という垂れ流し型(失礼)もあって、差があるなぁ、というのが正直なところです。

ウェビナー形式でも視聴者からの質問をうまく取り入れてハンドリングされているものもありますが、リアルタイムでやるならライブ感のある座談会・パネルディスカッションタイプが面白いな、と。そうでない場合、対面の場合よりもオンラインセミナーのほうが長時間集中を保つのが難しく、オンデマンド配信にして欲しいと思うのでした。

また、これまでワークショップ型でやってきたセミナーもうまくそれがオンラインではできなくて、個人ワークの時間を取るのがせいぜいになっているのjがちょっと残念で、この辺りのノウハウがもっと浸透してくるとより面白いものができるんだろうなぁ、今後に期待?とか思っています。先日noteでこちらの記事を読んで、なるほど!と。

comemo.nikkei.com

まあいずれにしても、セミナーやトークショーなどのイベントがオンライン化して非常に参加しやすくなり、これは失われたくないなぁと思っております。

生産性

オフィスで働いていた頃と大きく違うのは、上にあげたコミュニケーションの取り方・会議のやり方の他、紙を手元作業に使わずに作業するという点だろうかと思います。この点も、私自身も含め、出社頻度が下がることで無理やりにも慣らされた感があり、当初感じていた「紙で見たい〜!!(イライラ)」というのがなくなりました。見返すことがそれなりの頻度であるから、と思ってとっていた手元の書類もすっかり処分しましたし。

業務のアウトプットの生産性という点では、体感値を聞き取った範囲では、集中しての作業は在宅の方が圧倒的に捗るという意見が多いですね。あとはここにどの程度割り込みが発生するのか、というところで、人によっては上述したSlackでの依頼・相談・督促などが多くて以前より停滞しているという話もあります。ただし、これは業務自体が繁忙になっている面もありそうで、なんとも評価が難しいところです。

体調がちょっと不安な時に出社しなくてよく自宅で様子を見ながら仕事ができるという点も良い方に作用しているようで、出社シフトでオフィスのところ自宅にします、というような利用のされ方を複数人がしていたので、うまくいっているのかな、と思います。私自身も同様ですが、以前エントリにしたように、休みどき・養生すべきときを判断しにくくなっている面もある気はします。

backstage.senri4000.com

ということで、部門としての生産性は、はっきり上がっていると断言できるほどではないにせよ、当初の多少の混乱を乗り越えて、以前と変わらない程度は最低限満たしているだろうと思います。であれば働き方が楽になっている分断然いいじゃん?とか思うのでした。

そして、私自身の生産性という点で見れば、これはもう爆上がりしています。というか、オフィスに出社して人の目とか種々の作法とかに気を使いながら仕事するって凄いストレスだったし嫌だったんだな自分というのが改めて身にしみました。組織で働くのは好きなんだけど(だからわざわざ企業内に戻ってきたんだけど)、人間関係は煩わしいし、気を使うのって全く意義が分からないし、儀式的なことは本当に嫌いだし、インフォーマルコミュニケーションで話を拾ってくるなど面倒だし。

オフィスに居ることで、こうした諸々の空気に晒され続けることがどれだけ自分を損なっていたのかよくわかりました。すべて気にしなくてよくなって、コミュニケーションはほぼテキストに移行して(喋るより書くほうが断然得意で早くて楽)、好きな格好で好きな音楽でも聴きながら集中して取り組むことができるわけで、そりゃ捗りますって。

ということで、突発的に持ち込まれる問題への対応がそれなりにありますので手を取られるものの、その他の本業?については、オフィスでやっていた頃よりも余裕があるようになりました。幅を広げるべく仕込みをしていたりするここ数ヶ月で、そろそろ来年の定時株主総会の準備に入るなぁ、もう1レベル上げたいな、などと思っているところです。