天職の舞台裏

天職と思って日々仕事をしてますが、その舞台裏で色々考えていること、あるいは水面下でジタバタしてることを書いています。

老後について、介護について

2週間ほど前に、上野千鶴子さんの「在宅ひとり死のススメ」を読みました。

帯には「「おひとりさまの老後」シリーズ最新作」とあったのですが、シリーズ最初の本が出たのって2007年なんですね。もうそんなに経ったのかとびっくり。で、ベストセラーになったのは承知していましたが、当時はまだ親の介護にも直面しておらず、仕事と子育てにてんやわんやしていた頃ですから、あまり関心を持っていなくて読んでいませんでした。

ということで、今回シリーズ全部読みました。「おひとりさまの最期」だけは電子版が出ていないので、書店に文庫版を買いに行きました(久しぶりに文庫を読んだら文字の大きさが中途半端で読みにくかった。。)。

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そして、「在宅ひとり死のススメ」には、引用されて出てくる類書が色々あります。こちらも興味を持って読みました。まずは、樋口恵子さんとの対談、そしてそこから樋口恵子さんの同テーマの本を。

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対談では、お二人が同意しているところもあれば、スタンスが違うところもあって、違うのは世代の違いが大きいのかな、などと楽しみながら読みました。

そして、一番なるほど〜と唸り、自分もちゃんと考えなくちゃ、と思わされたのは、春日キスヨさんのこちらの本。

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現在、母は父を見送ってからそのまま自宅で一人暮らしをしています。介護認定は要介護2から要支援2になりましたが、介護保険の上限いっぱいまで使って、月曜から土曜まで、ヘルパーさん2日、訪問リハビリ2日、デイサービス2日と毎日何かしらあるようなスケジュールを組んでおり、母本人も「充実した生活」というほどです。2ヶ月に1回、整形外科(圧迫骨折からの回復)と内科(高血圧)に通っています。

ヘルパーさんには主に家の中の掃除をお願いしていますが(かがんだりするのが厳しいので)、その他は今のところ日常生活にさほどの不自由はなく、シルバーカーを押して近所を散歩したりもしています。

すっかり安定した日常を送っており、この10月で介護認定の2年間が終了と聞いて安定ぶりに驚いたほどです。ちなみにコロナのせいで、希望すれば1年そのまま延長ができるようです。通常は更新手続をして、主治医の意見・訪問調査がはいるのですが。

そんな状況ですが、これまでなんとなく、もっと不自由になってきたら施設に入らないと無理かなぁと思っていました。それは母のことに限らず、自分たちの老後についても(なにしろ次の3月で夫は定年ですし。自分たちのことも考えておかないと)、ある程度は自宅で介護サービスをお願いして行けるにしても、いよいよ不自由になってきたら老人ホームなりなんなりに移らないと無理だろうな、とぼんやり考えていたわけですよ。

でも、本書をはじめ、いろいろな本を読んでみて、介護保険制度20年の積み重ねは大きいのだな、と改めて思いました。もちろん地域に依るのでしょうが、確かに母の状況を見ていても、要介護度が上がってきたとしても、その分介護サービスを手厚くすることで自宅でずっと暮らしていくことができそうに思います。適度な距離をもって、見守りと意思決定に参加(代行)していくのがよいのではないかと。

また、自分のこの後の住まいにしても、施設に移るまでの間というよりも、そこが終の棲家になってもいいような心づもりで臨むのがよいのかも、と思ったことでした。

一方で、つい後回しにしている、自分に関する情報の整理は並行して進めなくてはね、とも。既往歴とか、Evernoteにぐちゃっと入っているような状態なので、自分がいなくても取り出しやすいように整理していく、遺言を準備する、などの終活系は一度やっておいてメンテナンスするようにしたいですね。

百まで生きる覚悟は決めるとしても、もっと早くに病に倒れる可能性はいつでもあるわけで、両方に備えておくのが安心かと思うのでした。息子たちの独立で節目も来ているような気がしますしね。