天職の舞台裏

天職と思って日々仕事をしてますが、その舞台裏で色々考えていること、あるいは水面下でジタバタしてることを書いています。

適法性・適切性のチェック係?

私が現在のポジションについたのは2023年の6月で、もうすぐ2年になります。その頃からトップに直接レポートするようになり、どうも当初は勝手が掴めなくて色々やらかしておりました。

backstage.senri4000.com

トップとの距離感

以前はトップとの間に上司がおり、当時の上司は管理系の担当役員として長きにわたり務められていて各方面からの信頼も絶大で、私にしてみればこの方に持っていけばあとはお任せで最善に取り計らっていただける大変ありがたい存在でした。

今から考えると創業者と2代目の両方に大番頭的ポジションで務められていたわけで、ほとんどこぼされることはありませんでしたが、そのご苦労は想像して余りあります。完全に引退されてから食事会をご一緒したところ、非常にお顔が明るくなっていらして、やはり在職中はストレスフルだったのだろうな、と改めて感じたりいたしました。

ともあれ、直接の上司がトップになってしまった私としては、何を自分の判断で意思決定して進めてよくて、何をトップまで持っていくべきなのかが本当に難しく、上司は一体どういう基準でこの切り分けをされていたのだろうと初めて思うことになりました。従前はその辺りは部下として気にするところではなく、上司が独自の判断で指示を下されようと、トップにはかられてからのそれであろうと差はなかったわけですよね。

それから2年。大半の管理系を引き継いだ別の役員との間でコミュニケーションは密にし、おっかなびっくりであろうとトップとのコミュニケーション機会も増え(自分で増やすというより向こうから接触される機会が増えました。突然の通話とか)、だいぶ距離感が掴めてきたように思います。

ストレスの元であることは間違いなく、ChatGPTにも質問してみたりしています。以下の週のまとめ記事の「考えたこと」に。

backstage.senri4000.com

この少し前にも、突然の通話があったりそこからの調査検討指示があったりしています。

期待されていること

創業2代目である現トップは、非常に精力的な方です。自らどんどん動くし、情報を持っていそうな人に面談の機会を作って直接色々話を聞くし、細かいところにも手を突っ込んで疑問をぶつける一方で、これらを材料として全体像を俯瞰してそこから動き方を決めていく。

情報ソースが我々とは段違いであることに加え、当社グループ以外でも事業をされているため、視点が異なること、元々の専門が金融系というか投資家であることから、発想が私にとっての想像の埒外であることも多くて「どこからそうなった?」と思うような唐突なアイデアがよく飛んできます。

直接相対するようになった当初は、どうにもこの質問の想定外感が辛くて、頭真っ白になるし、「え、それ私に聞くんですか?」とか「知らんがな」とか反射的に思うことがとても多かった。さすがに2年も付き合ってくると、慣れまして、先回りして考えることも少しはそれなりにできるようになりましたし、真っ白になる前に「それはこういうことですか?」「意図はなんですか?」など聞き返すことも即興でできるようになってきました。質問しても怒られないようになったし(苦笑)。これは多分距離感が掴めてきたのだろうと思います。

そして、その積み重ねで分かってきたことは、ご自身で考えたアイデアについて、やっても大丈夫か(適法性+適切性)を問いたい、事前にチェックをかけておきたい、という相手の一人になってるんだな、ということ。法務コンプライアンス担当、内部統制担当なので、適法性と内部統制観点での適切性、そこから発展して上場企業の振る舞いとしての適切性あたりが守備範囲になります。

一方で、慣例的にこのようになされることが多い、ということは、法令上アウトなのかどうなのかギリギリを問われることも多い。みんなやってるからこうする、みんなやめているからやらない、ということは許されないというか、うち規模でそんなことを気にしていたら沈んでしまうという危機感もあるようです。世の中には先進事例が出回っているけどそれを追いかける必要はないし、頑張らずにやっておけば良いという領域もあります。

ChatGPTもディスカッションパートナーとしていてくれるようになったので、ざっくり問われたこともAIに質問してとっかかりを得て自分の調査を広げていき分析もディスカッションしつつ進めていきそれなりの結論を出しておく、ということが短時間でできるようになったのもちょうど良かったのでしょう。

社外役員に見てもらいたい文章を事前に渡されて、「ここはこれで大丈夫ですか?矛盾はないですか?」などと事前チェック係をやることになり、なるほどこういうことを期待されるポジションなんだな、と改めて思ったことでした。