株主総会に向けての第一の山場は、招集通知(事業報告+参考書類)の作成です。これが4月の佳境を引き起こします。
今年の議案や事業報告の状況は、上記の記事に書いたとおりですが、今週はこれらを招集通知の文面に落とすところに集中しておりました。毎年毎年同じようでありつつも、何かしら変化があるのがこの仕事です。

今年の変化
ライブ配信の実施
今年は、急にライブ配信(バーチャル株主総会参加型)+事前質問を実施することになり、それが確定(予算の手当も含めて正式に社内承認が降りた)したのが先週末。
これは設営面の大きな変更になりますが、株主さんへ丁寧に案内をしないといけないものでもあります。招集通知上での案内をしている他社例を集め、当社のものに応用するならどんなボリュームでどんなデザインがいいのか検討していきます。システムを提供してくれる業者さんや、印刷会社、証券代行にも確認を入れ、提供してくれる材料を集めて検討。
株主パスポート
株主名簿管理人(証券代行)さんが、昨年春から個人の株主さん向けに、議決権行使や配当金の通知など、会社を跨いで自分の所有株式に関する情報をまとめて管理できるアプリを出されました。もちろん同社が株主名簿管理人になっている会社のみですが、現状業界としては証券代行業務をやっている信託銀行は3社しかありませんから、いくつもの会社について株を所有している個人投資家にとっては相当程度便利にはなるのでしょう。
出されたタイミングで当社も登録するかどうかは検討の余裕がなく、昨年は見送りましたが、個人投資家になっている当社の役員からも採用してほしいという要望をもらったり、自分でも他社株について使ってみたりして、便利そうだし特に会社負担が大きくあるわけでもないのでやってみようということにしました。
こうした新しいツールを入れますと、ライブ配信同様に、やはり株主さんにはそれなりのご案内を入れる必要があり、これまたそういう材料を証券代行からもらい、それを原稿に反映し、印刷会社に連絡し、などの工程が発生します。分業化されている業界なので、誰がどこまで担っているのかを会社としてはしっかり把握してかからないとたらい回しのような羽目になり、手間暇かかりますので要注意。
譲渡制限付株式報酬
昨年度から導入したRS。今年はその内容や報酬金額が事業報告での記載事項に追加されます。
が、RSの付与や割当実務には深く関わっていたものの、事業報告上どのような記載が要求されているのかについてあらかじめ調べておく、などの手当が遅れまして、該当の項目のドラフトを作成していて初めて「あれ?RSってどうするんだっけ?」と。
新しい制度の導入が、どのように法定開示に結びついてくるのかは注意が必要ですね。。適時開示はその都度なされるし、自由度が高いのですが、法定開示って年に1度の場合がほとんどなので、そのタイミングでは前年踏襲になりがちで、新しいことは見落としたり気づくのが遅れたりしがちです。
部門内読合せ
以前は、ひたすら招集通知の原稿を作っていき、確認を全体の読合せ(5月頭)で実行しておりました。が、その場では読み上げて確認するのが精一杯で、根拠資料の確認などは難しい。小耳に挟んだところによれば、決算短信などは経理が同様に読合せをやっているけれど、そこに至る前に部内で読合せを数回やっているとか。なるほど、そうすればいいんじゃない?と思って部門内で根拠資料を出しての読合せをするようになったのが3年前。
それからは、毎年まず一旦原稿を入力し、PDF出力できるようになったら、項目ごとに根拠資料と左右に並べて読合せをしましょう、というプロセスで進めるようになりました。
作成者がアップロードして、その他の人が各自で確認するよりも、集合して読み合わせて議論しつつ確認した方が見落としが少なく、かつ、経験が少ない担当へのインプット・気づきに繋がりやすいという効果もあり
ということで、今年も先週後半辺りから連日項目ごとの読合せをやってきています。やりながら思ったのですが、これって、プロトタイプを早めに作って顧客に見てもらい、フィードバックをもらって仕上げていく、「アジャイル」型の開発だよね、と。
だから、自分の中でもっと質を上げてからじゃないと(部門内であっても)読合せに出せない、とか思わずに、どんどん出して、指摘をもらってブラッシュアップして作っていきましょう!と声をかけてやっています。
今年は上記のような変更があり、特にRS周りは完全にノーマークで、役員報酬の開示のところを読合せしていて、
あれ?ここにRSも入れないといけなくない?
と気づき、その金額は付与時の金額なの?それとも会計上の数字(譲渡制限期間で按分されている)なの?と調べてもらい、そうしているうちに、株式に関する事項にも記載が必要じゃないの?と芋蔓式に気がつき(しばらくストックオプションから離れていたらすっかり忘れてましたよ。。)、などとなっておりました。
部門内の読合せは、まだ全体としては第一ドラフト前のアルファバージョンですから、このようなことができます。候補者各位にも参考書類の原稿を見てもらい、フィードバックをもらって修正したりもしておりました。
取り掛かる前に完璧に準備しなくちゃ!と緊張するよりも、やりながらチームで気づきを得てどんどんいいものに洗練していく方がやっていて楽しいし、最終的なアウトプットの質も上がるように思っています。
ということで、いったん第一ドラフト完成して各所にチェックの依頼をかけていくところまで完了して今週終了です。画像の作成・差し込みなども同タイミングで依頼するので、全体読合せには間に合いませんが、記載事項はこれで一応のレベルまできているはず。そして、読合せ後に修正かけて完成版として監査等委員会へ決算報告書と議案内容の提供をしていきます。