天職の舞台裏

天職と思って日々仕事をしてますが、その舞台裏で色々考えていること、あるいは水面下でジタバタしてることを書いています。

理解できなくても進む?

元々の私のホームグラウンドは知財(特許)です。そこから法務、監査と広げてきているわけですが、文章(テキスト)を扱うのが仕事のど真ん中にあるということは変わりません。

最近、法務側の部下と話をしていたら、某官庁からのアンケートに対する回答を事業部門に投げて回収するにあたり、手戻りをある程度防止するために、事前説明会を開いて、昨年の具体例を出しつつこういう場合はこのような回答にしてください、とやってみたところ、回答にさっぱり生かされていないという話が出てきました。

全然インストラクション読んでないんですよ。回答にあたって説明会の資料を読み直すこともやらないし、その場で適当に答えて提出してしまう。

まあ確かに本業じゃないところに頭を使いたくないというのは理解はできるんだけど、毎年同じことを繰り返す(アンケートは毎年ある)のも徒労感が半端ないです。

などと思っていたら、いやそんなレベル感の話じゃなくて、そもそも目の前にある文章を読まないんですよ、と言われまして。え、マジか?

稟議書類に書かれたことに辻褄が合わないところがあっても、複数人がそのまま一瞬で承認して回ってきますからねぇ

う。それが珍しいことではない、と言われると、辛いな。

メールやチャットのやり取りはしているわけなので、全くテキストを使って仕事をしていないわけではないのだろうけれど、社内の報告はどうしてもプレゼンテーション資料系が主流で、その中にテキストはあまり多くなく、きっちりとした文章は作られないし読む機会もあまりないんですよね。

新井紀子さんの「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」が話題になりましたけど、その類なんだろうか、などと考えたりしました。機会に恵まれないと訓練もされないし、面倒だから避けて通る、ということかなぁ。

ということで、文章の整合性とかが気になって仕方がないという人種は非常に稀なんだな、と思っておりました。

似たようなタイミングで、監査部で使っているチェックリストの見直しを監査法人に確認をお願いしていた回答があり、盛大にダメ出しが(メール本文に)入っていたので、お任せ仕切っていた添付ファイル(チェックリスト)を開いたところ、いやそりゃそうだよね(ダメ出しも来るよねえ)という仕上がりになっていてびっくり。

作成者に確認したところ、

そこまで突き詰めて意味を考えておらず、読んで大体想像がついたらそうかな、これまでもこれでやってたし、と進んでしまいました。

との回答があり、これまたびっくり。そうか〜、雰囲気で進んでしまうのか〜。しかし対象組織でチェックする人は上記のようなレベル感なわけで、受け手がこれでは意味不明なチェックをしたということに(項目によっては)なるよねぇ、と暗然としたことでございました。根深い。しかし、これ全部に自分で手を突っ込んでいたら回らないぞ。

知財はともかく(知財の文章読解力・作成力は割と人によってばらつきがあります。自分で長文の明細書を書いているわけではないし)、法務の担当者はさすがに文章で飯を食っているので任せて安心だし、こっちが指摘すればすぐさま対応して直してくることができるんで、私自身がやらないと回らない問題はないんですが、あちこちから異動してきた人材で構成されている監査部は現業部門の抱えている問題がそのまま当てはまったりするわけですね、はい。

さてどうしようか、イマココです。やらねばならないことは山積みではありますし、その基礎になっている書類群がぐらついていてはかなり辛いわけですけれど、一定の結果を一定の時期に出すミッションを抱えているわけでもありまして。