天職の舞台裏

天職と思って日々仕事をしてますが、その舞台裏で色々考えていること、あるいは水面下でジタバタしてることを書いています。

有事のグリップ

私の現在の担当職掌は、法務部、内部監査部、コンプライアンス、内部統制でして、ということは、お役目上、何か起きた場合には責任者が回ってきます。企業活動をしていると、規模の大小や深刻度はさまざまなれど、何かしらの不祥事・トラブルといったことが全く起こらないということは有り得ず、それなりの頻度・間隔で有事対応をすることになります。

そうは言っても、何かしら発生した時に、それがどの程度の深刻度のものなのか、どこまで「最悪」を想定して当初から動くべきなのか、というのは正常化バイアスの罠から逃れることの難しさも含めて、中々慣れません。

私の元のホームグラウンドは知財渉外(特許紛争対応)で、トラブル対応の一種ではありますが、人は死なないし、文言解釈の勝負的なところもあって悪意の入り込む余地が少ないし、究極的には金で解決できるし、という性質があり、そもそもの発生時にワーストシナリオを想定して慎重に動かす必要があることは稀です。やっている中でスジが判明してきてどう振る舞うのが適切かを考えていき、時には案件のペースに合わせてグイグイ進めることもするけれど、初動の動き方をミスして致命的、などということにはならない。

このような育ちのせいか、情報が少ない中で判断してどういう動かし方をしようか決定するという経験が少なくてまごつくことが多いように思います。自分の中で「こうかな」と思って平常運行に載せようとしてしまい、「こうなったらどうするの?」と斜め上から突っ込まれて、「え、そこまで考えるんですか??」となることが多い気がします。それは担当としてどうなんだ、というツッコミは甘んじて受けます。。。

とまれ、割と極端に振ってワーストシナリオを考えるのが得意で平穏に済ませたい欲求が低めのトップをいただいているため、逆の苦労をするよりは良いのかなと思う昨今です(という何かがあった。。。)。

初動の意思決定がなされた後は、それに沿って具体的な活動に入っていくわけでして、どちらかというと、そこの実務レイヤーとトップへの繋ぎがスムーズに行くように努めるのが肝要だな、と思います。お任せ度合い・塊が大きすぎると実務方はどうしたらいいのか分からなくなりがちで、うまく指示を下ろしておかないとスタックしますし、誰が何をやるべきなのかが不明になって時間だけが過ぎていく。

特に有事対応って、普段のラインと違うところで動かすことが多いですし、あまり大々的に公開して進めるわけにもいかないので、情報の連携に気を遣いつつ、進捗の管理をして成果物を出していく必要性が高いな、と思っているイマココです。