現在細々続いている関心読書(マイテーマ)は、「人はどのように住む場所を決めるのか」です。
まずぐんと遡って先史時代の人類の出アフリカ〜世界への拡散がどのように行われたのかを追いかけました。この記事の中に、そもそもなぜこんなテーマで読書(学び)をしているのかについても書いています。
その後の時代の研究成果を追いかけたり(DNAとか)、考古学に進んだりしました。
ここまで来ると、移動して拡散した人類は、なぜ定住したのか、という段階に入ってきます。定住が基本になるから、移動するときにパワーが要るという構図だろうし、昔はもっと移動は規制されていたでしょう。それはなぜか。
「人類の定住に関する考察」という論文をネットで拾いました。
現代の事例を対象とした人類学的研究において定住生活と移動生活を比較する際、人は なぜ移動するのかに重点の置かれた議論が多いように思われる。 それは研究者にとって定住が当たり前の生活であり、むしろ移動が特別な行為であるという状況を前提としている からである。
しかしながら人類史を繙けば、人間が定住と呼ばれる生活を送り始めたのはごく最近のことに過ぎない。むしろ問うべきは、なぜ定住したのかである(cf. 西田 2007)。
そして考古学では、定住は頻繁に扱われてきたテーマであり、農耕牧畜などの生業と関連づ けられて議論されてきた。
なんとなく、私もこれまで農耕が始まったから定住したのか、とか、人口が増えたから農耕が始まったのか、とかぼんやりとした理解をしていたのですが、どうもことはそう単純でもないみたい。次はこうした「定住」に関する文献をしばらく追いかけたいと思います。