取り組んでいる組織再編の関係で、12月に臨時株主総会を開きます。2017年に法務部長&株主総会の運営統括担当になり、その年初めてだというのに2つも総会だよ!とぶーたれてた時以来です。
組織再編にかかる株主総会決議
会社法上、組織再編についての決定は、株主総会の決議が要求される場合が多いです。
2017年の臨時株主総会は、段階取得をしていた持分法適用関連会社を株式交換により完全子会社にするための株式交換契約の承認のためのものでした。
このような組織再編は、会計年度内の半端な時期に発効させると決算処理に多大な面倒を発生させますので、年度の切替時期または半期のそれに合わせることが多いと思います。3月決算であれば、4月1日発効や10月1日発効です。そこから逆算して、諸々の手続にかかるスケジュールを引き、多少の余裕を持ってスタートとなる決議の日程を決めていくと、3か月強前あたりに株主総会決議を持ってくることになります。3月決算で10月発効なら6月の定時株主総会の議案に追加する、4月発効なら12月に臨時総会を予定する、が多いかな、と。
もちろん、4月発効で前年の定時株主総会議案に追加し、臨時総会は開かないとすることも可能ですが、9〜10か月も間があると、まだ決まっていない事項も多くあり、その間に変更も発生しやすいため、追加や修正の開示をする覚悟で進むことになりそうです。それでも、臨時株主総会を開くというのは上場会社にとっては大ごとなので、どちらを取るかは会社によって異なりそう(どちらも実例はあります)。
議決権行使の基準日
臨時株主総会を開く場合、議決権が行使できる株主を確定するために基準日を決定して公告しなければなりません。定時の場合は定款に書かれているのが通常なので不要です。ここで、株式事務との関係が出てきまして、通常、株主名簿は半期末と年度末の2回締め切られています(配当の基準日・定時株主総会の基準日)。臨時総会の基準日をこれと別日にすると、その日に合わせて株主名簿を締め切る処理をしてもらう必要が出てきます。費用も嵩みますので、できれば通常処理に乗っかりたい。
ということで、当社の臨時株主総会の基準日は、中間配当の基準日に合わせています。が、これは、他社の開示例を見ると、それほど一般的でもないようです。半端な時期に基準日があるな〜と思って拝読した開示も多いので、さほどのことはないのかも。実際、中間決算事務の打合せに参加した結果、株主名簿は共通だけどシステムの関係で送付物は別送になりますと言われて合わせた意味がかなり薄れたような気分になりました。
臨時株主総会の準備
さて、臨時株主総会までのスケジュールが上記のように決まったとして、準備作業はどうなるか。
そもそもスケジュールを引くところから準備作業は開始しており、なんなら発効日の候補をいくつか上げてそれぞれの場合のスケジュールを引いてメリデメの検討から入ります。当社の場合の今回は、会計側の都合を優先して4月発効になりました。前回の株式交換の際はプロジェクトに全く関与していなかったので(当時は法務部長じゃなかったし)、どのように決まったのかはよく知りません。
今回の組織再編自体は株主総会決議ではなく取締役会決議を選択しています(簡易型)。とはいえ、定款の変更を伴うため、株主総会の承認が必要という構図です。
上述したように、臨時総会の準備として最初に来るのは基準日の設定と公告で、中間配当に合わせたい事情があったため、9月の前半には決議と公告をする必要があります(基準日から公告までの間が2週間必要)。が、臨時総会を開きますので基準日の公告をしますって、いったいなんのために開くんだよ?という謎の開示になってしまうため、できれば会議の目的事項まで開示しておきたい。とはいえ、まだ本体の組織再編自体の決議が未了。。。
という悩ましい状況に陥ったため、仕方なく謎の臨時株主総会、日付も確定せず基準日から3か月以内、という開示になりました。その後の保留もあって、これ自体撤回するにはどうしたらいいのだ?という検討までしましたとも(撤回決議を取締役会で行い、その旨開示すればOK。撤回は公告不要)。
その後の準備としては、まず、定時株主総会の招集通知ー(事業報告+計算書類・連結計算書類)が書類の作成対象になります。狭義の招集通知、議決権行使案内、株主総会参考書類の3点。議決権行使案内はマストではないため、印刷ページ数の調整バッファとして入れています。メモページ作るよりは良いだろう的な。
定時総会の際の招集通知作成は、事業報告部分を関係各所から情報を集めて法務で作成、計算書類は経理にお任せ、狭義の招集通知と議案参考書類は必要に応じてそれまでの開示を参考にしつつ法務で作ります。このため、出来上がったら証券代行さんや弁護士さんにチェックしてもらいつつ関係各所から人を集めて読合せをしています。
臨時総会では、議案のみのため全面法務作成で、読合せするというほどでもなさそうです。分量も僅かで、8ページに入りそう。第1号議案じゃなくてただの議案(1本だから)。
スケジュール的には、定時総会と同様に本番から逆算して招集決議の取締役会の日程を組んでおりますが、決算や監査のスケジュールを考慮しなくて良いので、定例取締役会日を動かすほどではなく、そこで決議をもらって翌日の招集通知校了で行けそうです。
校了したら書面関係はひと段落して当日準備の方にかかります。想定問答、議事進行シナリオ、設営準備、スタッフ手配、リハーサル準備。この辺りも大きくは定時と変わりませんが、事業報告・計算書類の報告のための上映素材作りがないのが負荷的には楽です。
そんな現在は、大体の書類準備の完成が見えてきたところで、そろそろ会場配置を考えますか〜になっています。(自社会場なので気楽)