天職の舞台裏

天職と思って日々仕事をしてますが、その舞台裏で色々考えていること、あるいは水面下でジタバタしてることを書いています。

老後の住まい

最近公開されるマネーセンスカレッジのYouTube動画は、ほとんど欠かさず見ています(絶対関係ないのは見ないこともあるけど。ジュニアNISAとか)。

最近公開された動画で、「老後の住まい選び」をテーマにしたものがありました。


www.youtube.com

切り口としては、以下の2点で、それぞれの中のメリデメを上げて比較されていました。

  1. 持ち家か賃貸か
  2. マンションか戸建てか
  3. 都市部か郊外(地方)か

2拠点生活をしており、すでに定年後の生活に片足を突っ込んでいる身としては、相当我が身に引き付けて考えてしまいました(笑)。ターゲット視聴者は、そもそも家を買うかどうかを考えるだろう、もっと若い世代なんでしょうけどね。

持ち家か賃貸か

よく挙げられる論点です。それぞれ主張があるので、決め手にかけるというか、まあ考え方だよね、という感じですが、ここは「老後の住まい」という観点なので、少し変わってきます。

持ち家 賃貸
住居費の負担 小さい 賃料の支払いは一生続く
内装や間取りの自由度 大きい 小さい
災害リスク すべて負担 家財のみ
メンテナンス 自分で計画・負担 大家さん
ライフスタイルの変化 対応しにくい 対応しやすい
入居審査 ない 通りにくいかも

母を見ていると、確かに家賃の負担がなく、住むところが確保できているのは安心材料です。反面、修繕などのメンテナンスを怠ってきたツケが回ってきているとも言え、これを自分で計画的にやるのは厳しいよね(お金に余裕がないとつい先送りしてしまい、結果年を取るとさらにお金に余裕はなくなるのでできなくなる)、と思います。

年を取って定期収入がなくなると賃貸は入居拒否される、という恐怖はよく語られますが、動画内でも言われているように、シニア向けの住宅の供給は増えてきていますし、今後シニア層は増加の一途で、大半が持ち家という世代でもなくなっていくわけなので、そこまでクリティカルではなくなるだろうと思います。

所有しているが故の不自由さというか自己責任の重さというか、だんだん加齢とともにちゃんと調べてどうするかを決めて実行するのが辛くなってくるわけなので、持ち家にしてそのハードルを上げるのは避けたいな、と感じました。

まあここまでずっと賃貸でやってきて、いろいろ大家さんがやってくれるありがたさを味わっており、かつ、ライフスタイルの変化に合わせて住まいを変えるなどという「思い切ったこと」ができるのも持ち家じゃないからだよね、という気はしており、終の住処を買うという選択はないな〜と思っております。行けるところまで2拠点で行きますよん。

マンションか戸建てか

続いては、マンション(集合住宅)か戸建てか、ですが、こちらは上記で持ち家にする場合に、さらに、という話ですね。資産価値とか、修繕積立金とか、賃貸に関係ありませんし、そもそも賃貸は戸建てって非常に少ないでしょうし(住んでましたけど)。

マンション 戸建て
セキュリティ 防犯設備ありが多い 防犯対策必要
資産性 利便立地故に高い 土地の値段相応
近隣対応 共同生活のため気を遣う あまり気にしなくてよし
メンテナンス 修繕積立金・管理費 自分で計画して実行
バリアフリー対応 フラット 2階建が多い

この観点でも実家を見て感じることとしては、戸建て持ち家というのは、メンテナンスをきちんとやる必要があり、それを怠ると老後は大変だ、ということ。そして、ライフスタイルに合わせて住み替えるのが難しい(資産価値がすぐに下がるので売って買うのは相当大変)ため、子供が独立すると2階建ての住まいって不要になり、2階は全く使われないまま放置されるのだな、ということです。資金に余裕があるのなら、平屋で住みやすい家に建て替えるのが快適なのでしょうが、父が生前よく口にしていた、「この先どれだけ生きるかわからんのに」という話になって立ち消えるのです。。

一方で、バリアフリー対応については、介護が必要になってから考えればいいというのは動画内でも言われていましたが、その通りで、介護保険を使ってバリアフリー工事とかレンタルとかも色々できますので、前もって手すりをつけるとか車椅子が通れるような広さを考えるとかまでしなくても、その時に必要な形にする方が適切にできそうに思います。

都市部か郊外(地方)か

これは賃貸でも戸建てでも当てはまる論点です。地方に行くと賃貸の物件数は数が少なくなり、本当に田舎に住みたいとなると買う・建てるしかなくなる、という話はありますけど。

都市部 郊外(地方)
生活の利便性 商業施設や救急病院も揃っている 不足しがち
交通手段 公共交通や徒歩圏で 車がないと回らない
静かさ 騒音もあり 静か

動画の中で、地方だとしても、50万人都市圏くらいには住んだ方がいい、という話が出てきて、え?そんなに、と思いました。この先人口は減っていくので、今現在50万人だとしても半減くらい見込んだ方がいいだろうし、そうすると映画館とか商業モールとかスタバとか、なくなっていくので、と言われてました。スタバなんだ!笑

主催者の方は金沢市にお住まいで、そのくらいのイメージなのかな、と聞いていて思いました。24年1月1日現在の人口で、金沢市は約45.7万人。確かにあの規模があれば、デパートもあれば美術館や博物館も複数あり、映画館もあるでしょうし、スタバだって複数あるよね。大学もある。不自由のない都市生活が送れそうに思います。ただ、交通手段的には限られる(ほぼバス)ので、コンパクトシティ的に中心部に住んで徒歩圏であれこれ賄えないと、結局車生活になりそうな気はします。

拠点2の街の人口は10万人を切っていて、確かに映画館はないし美術館・博物館の類もあるとは言いにくい(公共施設ではない)。なにしろ大学がないので、大学生がいないから、その世代が消費するだろうものや施設がぽっかり抜け落ちるんですよね。百貨店もありません。

とはいえ、観光都市であるが故にか、飲食店や小売店は充実しています。特に飲食店はレベル高いお店があちこちにあって大満足。スタバは1軒しかありませんが、これもよく観光客を見かけるので(観光地区の中に立っているわけではないのですが)、きっと観光都市だからという面が強いのでしょう。住むときに色々商業施設はチェックして、ユニクロと無印良品とニトリがあるのでかなり安心しました。デパ地下ないのは残念かもしれないけど日常使いするわけじゃないからな〜です。

総合病院も2つあり、救急体制も整っているように思います。住むところを決める際に迷ったけど徒歩圏内で街の中心に行けるところを選んでおいて正解だったな、と思います。窓を開けると緑が目に飛び込んでくるのにも憧れましたが、それより利便性をとったのはおそらく正解だったと。

それでもやっぱり2拠点だから、不便なところは拠点1に来ればいいから暮らせるのだ、というところもあるような気はしていて、あと10年経ったらどう言ってるだろうな、とは思います。