天職の舞台裏

天職と思って日々仕事をしてますが、その舞台裏で色々考えていること、あるいは水面下でジタバタしてることを書いています。

開示、開示、開示

株主総会の運営統括を拝命した年に、その他の関連した開示周りとの整合性を取る仕組みが整っておらず、そのせいで手戻りが多く発生していることにストレスを感じて、ひとまずその年の総会が終わった総括の際、全体をなんとかしたいと上司に訴えました。当時、上司からは、

もちろんそれは望ましい方向だけれど、ちゃんとやろうと思うと適時開示まで手を伸ばすことになるので大変だよ〜

と言われたのでした。私としては、まだ見えていないので大変さ加減もよく分かっていなかったわけですが(株主総会だけで相当大変で自分の体調などガタガタになってた割に)、だってその方向しかないんだから仕方ないでしょうとか思っていたような。

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それから2年。ようやく、自分の中で全体像が焦点を結び、手が伸ばせるところまで来たかなと思います。とはいえ、現在真っ只中なので、今年の体制や成果物で実現する見通しがあるわけではなくて、今年走ったら、来年はなんとか、という感じなわけですが。

当社では、決算数字周りを経理部門が、各種の対外発表をIR部門が担っている関係で、なんとなくですが、金商法周り(EDINET)を経理部門が、東証対応(TDnet)をIR部門が担当している格好になっています。そこに会社法周りを担当する我々法務がおり、さらに株式実務は総務がやっている、取締役会の事務局は経営企画という構図です。各法律・ルールの要求がどんどん詳細化して厳しくなっている昨今、全体がしっかり分かっている人の存在が重要になっていると思いつつ、実務家の上のレイヤーが上級役員になってしまうためか、見通している人が不在の状況が続いているように思います。

特に有価証券報告書は、開示する情報量が膨大で、しかも開示府令できっちり決められていて自由度が低い。そして改正が多く、適用もすぐさまのことが多いという実務家泣かせです。事業報告との共通項目も多いので、その整合性という面もありつつ、有報自体の中での整合性も結構大変。印刷会社が提供している作成の手引きを何度も参照し、開示府令や大元の金商法の条文自体を読んで理解できるようになってきたのがようやく最近のこと。

昨年・今年と事業報告と有報の共通事項は共通のマスターファイルを作ってそこから転記ができるように、さらには年次推移がそれなりに見られるようにしてきたのですが、まだ始めたばかりで誤りも多発。防止策も講じながら(訂正も入れながら)進んでいます。データを提供する部門が全部に責任を持つというのもどうやら無理っぽく(その部分しか見えていないので)、別のソースから突き合わせする必要がありそうだ、と見えてきたのはおそらく良い傾向ですが、完成形には程遠いですね。

招集通知のおおよその完成が5月の上旬で、そこでマスターファイルにフィードバックをかけ、有報用に整えた上で有報の作成に入るというのがおそらく手戻りが一番少ないのだろうな、と思いつつ、今年はその辺りのスケジュールまで手が出せずにいたのでここへきて担当がテンパっていて監査法人に心配されている綱渡りな状況です。来年は、当初から本格的に噛むことにしようと決意したのでした。