天職の舞台裏

天職と思って日々仕事をしてますが、その舞台裏で色々考えていること、あるいは水面下でジタバタしてることを書いています。

卒寿のお祝い

2018年に父が亡くなってから自宅で一人暮らしをしている母です。昨日誕生日を迎え、90歳になりました。

年相応に、背骨が曲がっていて腰痛があり、足のむくみや痺れが日常的で、圧迫骨折から回復して以降、整形外科と内科の定期通院は欠かせませんが、介護サービスの皆さんの支援のおかげで元気に暮らしています。

さらにこれも年相応に、物忘れが加速していますが、認知症の症状とはいえないように思い、単なる加齢だろうと思っています。その場の理解力は問題ないのですが、保持するのがどんどん難しくなっていて、少し前に説明したことを忘れてしまったりしますが、物によっては先週のこともはっきり覚えていて話したりもするので、何かと状況はまだらです。

さて、今年は新年会も場所がなくなって取りやめ、代わりに母の誕生日が卒寿という記念でもあるので少し張り込んで目の前で握ってくれるお寿司やさんに行ってきました。個室にうまくカウンターを組み合わせてあり、目の前で順に握ってくれるのだけれどプライベート空間が確保されていて落ち着ける感じの良いお店でした。紹介していただけて良かったな〜と。

お鮨の一品一品のどれもネタが素晴らしく、甘みも感じられて非常に美味しい上、細かいところまでこだわりが感じられました。わさびや生姜、お茶やお酢に至るまで、研究されたりコラボされたりした結果、鮨を引き立てる役割をしっかり果たしている感じの。

日本酒も合わせて選んでもらえて美味しそうでしたが、今回は母の送迎担当をしておりましたので、帰りの運転手を務める都合上、ずっとお茶で。次回は個人で行って日本酒も楽しんでみたいものです。

母は昔から生魚や寿司が好物で、ご馳走といえば何よりも寿司です。今でも何かにつけて「寿司でも買って食べて行かんか?」とよく言います。

そんな母にとっては、無上のご馳走になっただろうな、と。いちいち美味しいし、歯が悪いことをあらかじめ伝えておいたところ、食べやすく隠し包丁を入れて頂いたり、細巻きは通常の半分に切ってもらったりしてありました。おかげで不自由なく、全てをぺろっと平らげておりました。まあ鮨についてはいつものことではありましたが、握ってくれた板さんが、「しっかり食べれる人がやっぱりお元気ですよ」と言われていたのがじんわり沁みました。

なんでも鮨職人の世界では、レジェンドになっている方が多くいて、90歳を過ぎても握っている人も何人もいらっしゃるとか。極めた先達が道の先にいるというのは目標にできていいですねぇ、などと話したことでした。

酒が入らなかったので、分解の負担はなかったと思いますが、つい完食したらやっぱり多かった〜。美味しかったのですが、ずっしりお腹に来ました(笑)。

風が強くて寒い夜になりましたが、暖かい嬉しい会にすることができ、ほっこりしました。母を無事に送り届けてミッションコンプリート。毎年恒例にするには贅沢すぎる感じですが、こんな形の会食は毎年やりたいな、と思いました。