天職の舞台裏

天職と思って日々仕事をしてますが、その舞台裏で色々考えていること、あるいは水面下でジタバタしてることを書いています。

実家(母)の今後

今年90歳を迎えた母です。加齢によるあれこれはある(高血圧・骨粗鬆症・難聴・手足のむくみや痺れなど)ものの、圧迫骨折から回復した後、介護サービスの手を借りながら無理ない範囲で日常生活を送れています。

90歳の平均余命は6年弱のようですが、デイサービスの様子を聞いたりしていると、100歳超えても元気な方は珍しくない様子で、全国的にみても昨年の敬老の日に100歳を迎えたのは4万人超ということらしい。

www.heartpage.jp

ということで、節目の90歳を無事に迎えた母にも100歳を元気に迎えてほしいもの。一方で、長いこと自営で電気工事業を営んできた父と専従者としてそれを支えてきた母にとって、老後の収入である年金額は多くなく、日常的に足が出ています。また、実家は持ち家ですが、そんな生活であまり余裕がなかったことから大規模修繕などはできておらず、耐震診断の結果を受けて寝室だけ補強したような状態です。

backstage.senri4000.com

父が亡くなった2018年以降、少しずつ片付けたりしたものの、使わないものもまだまだそのままです。

backstage.senri4000.com

そんな中、ふと書店で見かけた書籍を読んで、このまま手なりで日々を送っていて大丈夫だろうか?と心配になりました。

母は、認知症の兆候は見られず、物忘れは多くなっているものの、その場で説明したことは理解できるし、意思決定もできます。ただ、それを覚えていてその後別の人に説明するとか、同じような判断を別の機会にするとかになると厳しい。また、面倒に感じることが増えているようにも見えます。

お金の管理は、年金は振り込みですし、介護サービスを含め、支出の大半は引き落としで、一部の現金支出のために実家訪問の際に一緒に銀行のATMへいって母自身が引き出しをしています。

収入と支出を比べると後者が多いわけですが、定期預金は複数本用意されていて、今の状態がずっと続くのであれば、取り崩して生活費に充てれば生活レベルは維持できそうです。問題は、例えば転んで骨折して入院を余儀なくされるとか、一人暮らしが無理になって介護施設に入らざるを得なくなるとか、今より支出が多くなる場合。また、今は兆候はありませんが、認知症を発症した場合には、現金の引き出しが難しくなるかもしれません。

そんな不安もある中で、上記の書籍には、成年後見の他に「家族信託」というワードが出てきており、気になったので調べてみました。

souzoku.asahi.com


www.youtube.com

この他にも、無料動画をWEBから申し込んで見たり、その得点についていた無料相談90分を利用して実際に母の状況を具体的に話してどのように管理していくのが良いか相談してもみました。

その結果分かったのは、家族信託のような仕組みは、それなりの評価額の不動産があり、例えば施設に入るために現金化が必要な場合に、認知症になっていて所有者(親)が意思決定が難しい状態でもスムーズに売却ができるようにしておくために使えるけれど、たいした評価額ではない当方の場合には、スキームを組むややこしさと費用に見合わないだろうということでした(爆)。

無料相談では、不動産の処分や預金の引き出しなどを私や妹が自身の判断で母のために支出できるようにしておく目的であれば、費用面を考えると、大掛かりに家族信託を組むよりも生前贈与の方が望ましいのではないか、と助言されました。家族信託は、信託契約を公正証書で作る必要があり、契約自体も複雑であまり馴染みがないため、どうしてもプロの手を借りることになり(自分でやってやれなくはないけどとっても面倒そうではあった)、手数料が50万円程度かかりそうとのこと。

生前贈与の形にして、不動産の名義を移してしまえば売却は名義人が行えば良くなります。贈与税がかかりますが、相続人への贈与の場合は相続の際に精算する申し出ができるそうで、繰延られ、うちの場合はおそらく相続税はかからないだろうということもわかりました。

んじゃその形にしたらいいかしら、と思って、具体的な方法を検討してみることに。不動産の名義は私か妹のどちらかに移せば良いのですが、預金はどうする?年金は本人名義の口座にしか振り込まれないし、大半の預金は満期まえの定期預金です。これって、満期ごとに贈与するの??そして生活するための現金はお小遣いのように渡しに行くのかしら???

と、まあ??がいっぱいになりまして、この機会に母の家計支出を改めて計算したり、定期預金の満期日を確認したりしておりました。

ところ、よくよく考えたら、相続時精算課税を使うってことは、相続の際に精算すれば良いってことで、仮に母の意思決定が難しくてその時に不動産がうまく売却できなかったり、預金が引き出せなくて必要な資金手当ができなかったりしたとしても、私なり妹なりが立て替えて支出し、それを相続財産で自分で精算すれば良いのでは?

母にかかる費用は母の財産からどうしても支出しなくてはならず、それが難しい状態にしてはいけない、となんとなく思い込んでいましたが、相続で精算すると割り切れば、立て替えておけば良いわけで、その覚悟と別管理する面倒を厭わなければ大丈夫だよね、という結論になりました。一周回って元通り、みたいな。

色々考えた副産物として、母の基本的な生活費は賄えそうということが改めて分かったので、もう少し生活環境の改善(あまり大掛かりにならない程度の住環境のメンテナンス)を図りたいと思います。地震が起きて2階が潰れるようなことがあっても被害が少なくなるように、家具を処分しておく、とかね(2階は母が階段を登るのが難しいのでほぼ使われておりません)。