天職の舞台裏

天職と思って日々仕事をしてますが、その舞台裏で色々考えていること、あるいは水面下でジタバタしてることを書いています。

今年の株主総会準備状況

先日、母の状況のまとめのエントリを書くために、去年1年のブログ記事(特に週のまとめと月のまとめ)を読み返しました。すると、4月後半の記事って総会準備がうまく進捗していなくて死にそうになっていたことが繰り返し書かれていまして、そういえばそうだったと(苦笑)。

backstage.senri4000.com

そして、来年こそは、と色々思って申し送りに励んでいたのでした。ということで、1年経って、同時期の今年の進捗を書いておこうと思います。

招集通知などの体裁変更

運営統括部門として、招集通知と事業報告スライド(ナレーション付き)の主担当をしています。

f:id:senri4000:20190423212204p:plain

招集通知

最近の世の中の傾向として、株主の分散化も受けた対話型の株主総会が進んでおり、招集通知は従前の法定事項だけを素っ気なく書いたタイプのものから、見やすく・分かりやすい、さらにコーポレートガバナンスコードも考慮した任意記載を入れたタイプのものに移行する会社が増えてきています。流行に乗らないといけないわけではないですが、従来タイプの招集通知は分かりやすさの点では今ひとつというのは事実で、手を入れたいと思っていました。

そこで、まずは記載内容に先んじて体裁の変更、特にカラー化を検討することにしまして、これは昨秋ごろから他社例を参考にプロトタイプイメージを作成し、担当役員と詰めてきました。印刷会社に相談すると、カラー化に伴って事業報告書(総会後に株主通信として決議通知や配当領収書と同送する)と統合する会社例が多い(こちらはカラーで作成されており、元々共通項目が多いので、招集通知をカラー化すると重複感がさらに増してしまう。)ことを聞き、統合の方向で進めることに決定。

このため、全くこれまでタッチしてこなかった株主通信の作成部門(IR部門)と調整を行いました。招集通知と統合すると、少ないとはいえ株主通信独自の項目についても作成期限が2〜3週間前倒しになるため、相当渋られましたがなんとか説得(でもやっぱり実際の作業にかかると遅れが激しくなりましたが)。

年が明けてからは、印刷会社とイメージを具体的に詰め、フルカラーで40ページ程度の冊子とすることに決定。色使いや図表・グラフの挿入について細かいところを明確にし、作成ソフト側の準備を。

実際の入力を開始したのが3月の後半。出来上がりイメージを確かめつつ、体裁の変更に伴って記載内容の変更がそれなりの量生じているため、その確認を合わせて行いました。初回の手間の面があり、来年はもう少し軽くなるだろうな、と思います。

事業報告スライド

当社の場合、事業報告は、かなり古くからスライドにプロのナレーションを当てた形で投影してきました。ナレーションはほぼ招集通知の文言の読み上げ(一部省略)で、背景画像は毎年微修正で使いまわし感が強いものでした。

この辺りも、対話型総会の流れでわかりやすいスライド例が増えてきており、一新したいと思って昨年過ごしましたので、スライドを一から作り直し(といっても、業者さんにお願いするのは変わりませんので、方向性を示して素材を提供する形ですが)。他社例も参考に、イメージを作成し、3月には業者さんと打合せ。こちらは招集通知の内容が固まらないと取りかかれないため、5月早々に具体的な打ち合わせをすることになっています。

雰囲気を一新するため、緊張しますが楽しみでもあります。

マスターファイル

招集通知と、決算短信・有価証券報告書・コーポレートガバナンス報告書で同一又は類似の開示項目は多くあります。昨年から、これらの整合性を重視して、項目ごとに起点になるマスターファイルを作ることにしました。

決算短信と有報は、経理部門主導で作成しますので、完全に同じやり方で作成されているわけではありませんが、項目がまとまっていること、前年比較をしていることで入力の際の参照として使いやすいというコメントをもらいましたので、概ねうまくいったという評価の下、今年も踏襲。

昨年の猛反省に鑑みて、マスターファイルは2月中に更新に取り掛かり、3月上旬には配布を開始しました。また、どのファイルが入力・更新・参照のどの段階にあるのかがわかるように、管理表も新たに作成して進捗確認に使ってみました。

決算に関係ない項目は、3月中に配布して回収し・確認までやりたかったのですが、どうも関係者の皆さんとしては期中に着手する体勢にならないらしく、結局色々動き出したのは4月に入ってからでしたね。

当社の決算発表取締役会は4月の月末頃で、同時期に監査役へ監査のための事業報告・計算書類の引き渡しをしています。決算数値の方は、どう頑張っても連結精算表が一応の完成を見るまでは他へ展開すること自体ができないため、経理部門は第10営業日あたりまで個別・連結決算自体で忙殺され、その後決算短信の原稿作成へなだれ込みつつ各種マスターファイルの入力というスケジュールになります。

昨年の反省で色々早めに準備しても、どうしてもこの2週間に作業が集中することは避けられず、この間は他の業務はうっちゃって招集通知に忙殺されるしか仕方がないですねぇ、という結論に(法務課内で)なりました。他の業務をその間止めるわけにはいかないので、毎年繁忙期シフトを組むことになりますね。

関係者の意識合わせ

昨年の反省に鑑みて、年明け早々には3月初旬のキックオフミーティングを設定し(ついでに、5月の招集通知読み合わせ日程も設定)、2月にはその準備資料を着々と?作成していました。

キックオフ時点ではスケジュールを確定したいわけですが、決算のスケジュールはそんなに早く細部までは決まらないようで(監査法人や監査役との調整もあり)、予定していたスケジュールにかっちりハマってこない。もともと早期決算・開示のために無理めのスケジュール設定になっており、後ろの方が毎回余裕がなくなるのですが、無理やり間に合わせてそれでよしとなっているように見えます。流石に決算の手法や分担などの詳細までははたから見ていては分かりませんし、そこまで口が出せるものでもないので見守るわけですが、どうもブラックボックスになりがちで、かつ、毎年追われて作業をしていて見直しがかかっていない感があり、多少の問題意識を覚えています。

キックオフの時点では、関係者一同特に問題を感じておらず、すんなり進みました。その際に実際の設備について改善要望が出されて別途話し合うことになったのはよかったかなと思います。ただし、3月時点で問題が提起されないのは、そこまで詰めて考えていないからという理由が大きく、4月進行していくうちに、結局締め切りが守られない、やり方が以前のままに戻ってしまう、情報共有が不十分で重複・手戻りが発生する、といった事態が起こりまして、もっとキックオフ時に明確に目的の共有をすべきだし、それでよしとせずに、何度も途中も意識合わせをするべきなんだろうな、と痛感したことでした。

その他の事項との関係

決算期が終了する時期ということで、決算・開示・株主総会の準備が進行するわけですが、並行して、グループ会社の個別決算・決算報告・定時株主総会が行われます。担当する面々は共通していることが多いので、こちらにも目配りしておく必要があります。

また、決算とは直接関係なく、期が終わったということで、各種の報告を行う必要もあります。これが事業報告の前提となる種類のものもあります。機関決定も間違いなく行っておく必要があったりします。

2度の提示株主総会の運営を行ったこと、昨年6月以降取締役会事務局に加わったことで、こうした全体を俯瞰する力は随分ついたなと思います。情報もスムーズに入りやすくなったので、整合をとるべき事項が頭の中でクリアにつながりやすくなりました。

自分的には、もう一息という感じもありますので、引き続き俯瞰して整合を取る方向にドライブしつつ、そろそろ仕組みを作って人に渡せる部分を増やしていきたいと思うところです。

今年の今後など

去年も書いていますが、作業ベースとしては4月中がピークになり、5月上旬にその確認を行い、その後本番の準備に入っていきます。ポイントを押さえつつ、漏れのないように進めていくステージになりますので、引き続き進行します。

ここまで進行してきた今年の感触としては、こんな感じでしょうか。

まだ完全ではない(ので申し送り事項はたくさんある)けれど、昨年と比べてずいぶん見通しが良くなり、平準化も進んだ。多少の繁忙期シフトを組むことで、毎年のルーティンとすることができそう。