天職の舞台裏

天職と思って日々仕事をしてますが、その舞台裏で色々考えていること、あるいは水面下でジタバタしてることを書いています。

株主総会リハーサル1回目(2024)

統括責任者と登壇役員の二役でうまく務まるかしらと緊張と不安があったのですが、なんとか切り抜けました。毎年1回目のリハーサルはスタッフも役員も1年ぶりだったり初めてだったりするので種々の気づき事項・指摘事項が出ます。リハーサルやってよかったなという気持ちになるのでよいのでしょう。

リハーサルの方法

2021年の記事で詳細に書いています。基本ラインは変えていません。

backstage.senri4000.com

本番の1週間前に1回目リハーサル、前日(前営業日)に2回目リハーサル。どちらも15時開始で2時間前後かかります。1回目のリハーサル日に6月の定例取締役会日を合わせています(通常より1週間くらいは遅くなりますが、役員の予定を確保する日数を少しでも抑えたい)。

リハーサルには、証券代行と弁護士に参加をしてもらい、1回目のリハーサル時には証券代行から今年の株主総会のトレンドについて説明してもらいます。例年当地区での5月総会の動向を中心に、6月総会の情報もあれば追加して、といった感じです。2回目のリハーサルでは、その日までの議決権行使の状況をまとめて報告しています。

リハーサルを2回行う会社は多くはないようです。全株懇の調査(2023年)では、1回実施が約半数、2回実施が約3分の1、3回(!)が約1割となっています。回数を重ねると安心ですが、借り会場だと会場費がかさみますし、機材のレンタル費用や関係者のリソースもかかります。とはいえ、設営面も実際に配置するだけでなくやってみないと分からないところもあり、1回目のリハーサルで現場を見て調整して2回目リハーサル・本番に臨むのがちょうどいいと感じています(ていうか、それ以外やったことないのですが)。

円滑進行リハ(ケース1)

リハーサルとしては、1回目にケースを2つ。

まずケース1は、質疑無しの円滑進行で通し練習。これは、関係者(役員・事務局・スタッフ)に全体の流れをつかんでもらうこと、準備不足や修正すべきポイントを洗い出すこと、質疑無しでの時間を計測し、所要時間の見通しを立てておくこと、が目的となります。入場から退場まで、区切りごとにタイム計測をし、会場のあちこちから眺めてスライドの見え方、壇上の見え方、株主席の状態など全体観察をします。役員の所作については証券代行や弁護士からコメントがもらえるので、スタッフ側としては、細かい気づき事項をしっかりメモして登壇事務局や設営担当に伝える、スライドの調整をする、シナリオ台本の調整をする、という裏方作業を行います。

ケース1終了で弁護士コメントをはさみます。

質疑応答練習(ケース2)

ケース2は、質疑応答部分だけを取り出した練習です。株主役の従業員を数名用意し、一人あたり2問程度の質問をしてもらいます。事業に関する質問、最近の報道から当社に引き直した質問など、実際にありそうな株主目線からの質問を用意するように依頼しています。作問したリストを証券代行や弁護士にも共有し、役員には従業員からは言いにくいような(意地悪な)質問、最近のトレンドからの質問などをしてもらいます。

当社株主総会での質疑応答は、①質問者が挙手をする、②議長が手で指し示しつつ服装等で指名する、③マイク係が質問者席までハンドマイクを持って行く、④質問者がマイクを持ったところで、議長が「出席票の番号をお願いします」と言う、⑤質問者が番号を言いつつ、質問する、⑥事務局がそれを速記(要約)して議長用モニタに投影する、⑦質問が終わったら議長が「どうぞおかけください」という、⑧議長が要約を見て、「ただいまのご質問は、・・・と理解しました」または「ただいまのご質問は、・・・でよろしいですか?」と括る、⑨質問者が頷く、⑩事務局が関係しそうな想定問答を検索し、役員用モニタに映写する、⑪関係する役員が挙手する、⑫議長が役員を指名する、⑬回答役員が起立し、名前を述べて回答する、⑭議長判断で議長からも補足する、という流れで構成されています。

流れが確立しているので、あまり迷うことなく進行する印象です。議長の捌きが慣れているというのも大きいかと思います。このケース2のリハで、事務局と相談する、役員間で相談する、というったことも積極的に練習します。議長の補足コメントも、全部入れる形でやっておくようにしているようです(本番は質問によって補足する・しないを使い分けている)。

総練習(リハーサル2回目)

前日リハーサルでは、1回目リハを受けて、質疑応答ありで全部を通す練習をしています。

1回目の質疑応答の際に、次回はこんな練習がしたい、という要望が出ることがありますので、それを踏まえた質問や動議を用意することもあります。が、前日にあまり厳しいものを入れて当日に向けて気分が沈んでもよくないので、軽めに仕上げて安心してもらうという方向に振ることが多いです。

リハーサルの司会

リハーサルの進行、応援者の紹介を行う人が必要です。役員からの質問や指摘を受けたり、それを次に繋いだり。全体が分かっていた方が対応がしやすいので、統括責任者が代々?やってきています。私が引き継ぐ前は総務部長がやっていましたし、引き継いでからはずっと私自身がやってきました。

しかし。私自身、昨年選任され、今年は役員席に登壇です。壇上から司会やれば?とも言われたのですが、それでは入退場の練習とかやりにくいので、今年は切り出して司会だけの人を立てました。去年までの台本に沿ってやってもらう形です。

今年のリハーサル

毎年何かしら新しいことがあるのが株主総会運営の常なのですが、今年の変化点は、コロナ収束に伴う役員全員のリアル登壇(新任役員紹介も)復活です。コロナ以降ずっと自社会場で、今年もそこは変えておりません。このため、自社会場での役員全員登壇が初となり、スペースの関係で役員席が2列配置(当然ひな壇が前後に伸びる)、ひな壇左右に配置するスクリーンの位置が難しくなる、が生じました。

スクリーン

当社の事業報告は、スライドに合わせたナレーション入りの映像を投影して行っています(20分弱)。スクリーンは、ひな壇の左右に配置し、事業報告の投影中は、役員は近い方のスクリーンを見るように椅子の向きをずらして視聴します。

事業報告以外の進行中は、議案の概要や「質疑応答」など、進行に合わせたパワーポイントスライドを表示させています。また、WEB参加役員がある場合には、一方のスクリーンにWEB接続のビデオ画面を、他方にスライドを表示させてきました。

ということで、スクリーンは、役員席から見えること、株主席から見やすいこと、の2つの要件を満たす必要があります。

役員席が2列になったところ、役員から見える配置のためにはスクリーンを一回り小さくしないと難しく、それでやってみたら株主席からは文字が小さくて読めない問題が発生しました。。議案ごとに1枚のスライドで構成しているため(議案の全体がわかるようなものにしたい。送ると分かりにくい)、文字の量が多くなりがちです。これは久しぶりにサブモニタ設置かも。ホテル会場だった頃は来場株主も多く、株主席も広かったので、前方だけでなく中間のあたりにサブモニタを設置しておりました。来年以降、文字の大きさも調整した方がよいかもしれません。

などと言っていたら、まさかの事業報告スライドに表記ミスが見つかり(役員から指摘された)、ここまで誰も気が付かなかったことに愕然。慌てて修正指示にはしっております。

役員席

これまでずっと会場側で見てきていたため、役員席がどのようになっているのかは想像しかありませんでした。質疑応答練習で、質問の間にモニタに表示されるOHP上の紙を見て「なるほどこういう感じなのか」と。そしてまた、書類が多くて捌きにくい、、。スクリーンを振り返って見られない場合にはモニタを追加する案も出ていましたが、ちょっと無理があるような。普通の会議机に布カバー欠けているだけなので狭いんですよね。

今回の配置では、後列の中央には机を置かず、議長席の真後ろ~事務局席の間にスペースを作り、事務局との相談ができるようにしました。が、議長からの相談は、事務局というよりも、前列に並ぶ常勤役員に向かってされることが多く、どうしたもんかな?(下がった方が声は入りにくい)

質疑応答練習

役員・議長向けに毎年の指摘事項を蓄積して「注意事項」を用意しています。細かなものが多く、実際自分が当事者になってみると全部は頭に叩き込めないよ~という気分になりました(汗)。来年以降もう少し頭に入りやすい形式に変更を検討します。。

時代の流れで、議長から質問者の指名において、男性・女性と言わない(服装や位置により、手で指し示して指名する)という注意事項も近年入るようになりました(特定方法がなかなか難しく、苦労されているように見受けられます。特に練習時はみんな同じような格好をしていますし)。また、一昨年まで出席票の番号と氏名を求めていたところ、個人情報保護の高まりを受け、昨年から氏名は聞かない運用に変更しました。こうした変更点は、切り替えが難しいらしく、指名の性別は昨年まで繰り返し1回目のリハで指摘されていましたし、今年のリハの冒頭で氏名を求めてしまい指摘が入ることになりました。また、それをうっかり会場側からスタッフが指摘したもので、

本番は会場からの助け舟は出ませんから事務局が反射神経を磨いて議長のところに走らなくてはいけません。

と弁護士に二重に指摘されてしまいました。議長がシナリオを読んでいる間は事務局はそのチェックをしているのですが、質疑応答に入ると質問の要約や想定問答の検索にいっぱいいっぱいになってしまい、実のところ全く気が付いていなかったようです。ここは課題を残しました。

また、回答の際、自分は知っているけれど公表していない事実をどう切り分けて回答するかは、公表内容が全部頭に入っているわけではないので、やはり難しく、想定問答に「参考情報」と書いてあるものをうっかり読んでしまったり、なども起こっていました。

総じてちゃんと甲斐のある練習になったかな、という印象ですが、その分壇上にいる身としてはキツかったです。みなさんこれまでもごめんなさいという気分になりましたが必要ですよねぇ。

都合1時間ほどの質疑応答練習になり、かなり疲れましたが、弁護士から「本番もこのくらいの長さにはなると思いますので」とやんわり言われて、ううそうだよね、という気持ちにもなりました。

議長シナリオ

今年の上程議案には、定例的な・よくあるもの(選任議案など)だけでなく、組織再編絡みで特殊な議案が含まれています。招集通知にすると参考情報も含めて10ページほどの分量があり、これを議長の説明としてどの程度入れるのか、また、招集通知の記載は読んでわかる前提の書き言葉になっていますので、これをそのまま持ってくると読みにくかったり聞いていて分かりにくかったりするところをどの程度調整するのか、といった例年にない難しさがあります。

部内検討で調整したものを提出しているのですが、実際議長に読んでもらうと噛みまくるところがあったり、聞いていて冗長と感じたり、とこれはもっとチューニングが必要だな、となりました。ただいま調整中です。

動議?

昨今の傾向としては、従前のような議長交代とかの手続き動議ではなく、実体的な内容のある動議が出されるようになっているとのこと。今回リハーサルに動議練習まで入れなかったところ、一度はやっておきたいという議長要望が出まして、やっぱり毎年1回目リハにはそれなりのものを入れておいた方がいいか、という結論になりました。動議って軽いものだとあまり練習にならないのでみっちりしたものになりがちで、あまり前日リハーサルに入れたくはないんですよね(みなさん疲れてしまうし)。要望無視するわけにもいかないので、なんとか調整します。

2回目に向けて

とまあ、あれこれありまして、事後対応を進めております。1週間前のリハーサルですが、営業日にすると次のリハまで3日しかないので案外短いんですよね。