天職の舞台裏

天職と思って日々仕事をしてますが、その舞台裏で色々考えていること、あるいは水面下でジタバタしてることを書いています。

外部研究活動から卒業

2011年度から始めてなんと8年間継続してきた、外部団体の研究活動を今年度で終了しました。無事に引継ぎも済ませまして、これで思い残す事は無いかな。

8年の長きにわたって続けてきたので、得るところはとても多くありました。集約すると4つかなと思います。1)研究テーマについての知識が増え、理解が深まりました。2)研究の方法についても同様です、3)社外人脈が増えました、4)運営面のシステム化ができました。

1. 知識と理解が深まった

基本的には、研究テーマを決めて1年間で文献を調査し、討議を重ね、仮説を立て、検証し、アウトプットをしていく流れで毎年回してきました。企業知財職の団体内の委員会と言うことで、仕事に直接間接関わるようなテーマなのですが、普段の仕事の中では、ここまで集中的に1つのテーマについて調べたり、考えたりということがなかなかできませんので、強制的に考える機会を得られたのは非常に貴重でした。業務との兼ね合いで負荷が高く大変なことも多かったのですが、その分の効用は得られたと思います。自分1人で調べているだけではなくて、十数人のメンバーと討議しながら進めていきますので、より深く考えることもでき、それなりに仮説の検証と言うステップも踏めて理解が深くなったと思います。

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知財組織のマネジメントに関するテーマも多かったため、組織一般や人材育成に関する先行研究なども広く調べる必要があり、経営学に関する知識も広く得ることができました。普段そこまで手を伸ばすことは難しいところから、貴重であったと思います。自分の興味とも重なって、興味の広がりに従って追いかけたりするようにもなりました。自分の興味関心の幅を広げてもらう効果もあったと思います。

2. 研究方法についても理解した

下記の4とも重なるのですが、マネジメントをうたう委員会である割に、研究活動の運営面の統制がとれておらず、継続して参加している人のそれまでの経験に左右されている印象がありました。1年1年でリセットされ、メンバーも変わるため、方法論が引き継がれない嫌いがあり、初めて参加するとどうも見通しが持ちにくい、でもあまりそれを気にしている人もいないという状態でした。

運営側に回ってから、それがどうも気になって、社会科学系の研究の方法論をあれこれ調べてみたり、それを目下の研究活動に応用してみたり試行錯誤してきました。研究を複数人で進めるモデルは社会科学系ではあまり見当たらず、手探りのところもありましたが、自分なりに考えて進めることができ、そこそこ手応えも得られました。

今後自分で研究を進めていく際の方法論としても役に立ちそうです。

収集して参考にした本をいくつか上げておきます。

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3. 社外人脈が増えた

一番の効用はこれではないかと思います。特に、少人数の部門で自分が統括職という立場だと、実務が分かって相談できる人がいない悩みがあります。業種や規模は違えど同じ知財部門であれば同じような悩みがあり、先行して解決している会社もあり、酒席も含めて聞くことができます。

また、そうじゃなくても、1年間議論を重ね、合宿もし、毎回懇親会を重ねたメンバーとは気心が知れ、付き合いがその後も続いたりします。そして毎年最強の仲間と旅行に行くわけですね〜〜。

backstage.senri4000.com

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4. 運営をシステマティックにした

運営側に回って4年。システマティックに再現性高くするのが習い性の私としては、毎年同じように行うことが結果オーライでノウハウが可視化蓄積されていないのが我慢できず、担当係になったものをガンガン整理してマニュアル作って引継ぎに持ち込みました。

「せんりさんとやってると色々なことが整理されるな〜〜」とか、「至れり尽くせりの資料で大変ありがたいです」とか言われて非常に満足しました。やってる最中から次回やるときはここをこう改善しようとかいう思考が止まらない性質がありますので、課題の山は解決のしがいがありました。

特に今年度は自分では研究小委員会を持たないでテーマの選定プロセスのシステム作りを専業でやりまして、まあ満足できる結果が出せたと思います。思い残すことはありません。

非常に充実した数年間を過ごせました。関係者のみなさまありがとうございました。