天職の舞台裏

天職と思って日々仕事をしてますが、その舞台裏で色々考えていること、あるいは水面下でジタバタしてることを書いています。

「長寿期リスク」を読んで

noteの記事を読みまして。

shinsho.kobunsha.com

これは!と思い即Kindleで購入し、その夜のうちに読了しました。

著者の前作も読み、どちらかというと、自分の老後に備えなければ、と思っていました。

backstage.senri4000.com

これが3年前です。上記の記事にも書いていますが、当時の母は、父を送ってから一人暮らしになり、いろいろな介護サービスを組み合わせて毎日誰かしらの目が入るようなスケジュールを組んでいました。本人も充実していると言っていましたし、圧迫骨折からも回復して、シルバーカーを押して1Km弱くらいなら歩いて出かけることもできていました。この当時、母は87歳、現在は90歳になりました。

「長寿期リスク」では、70代の後半までは、頑張って「イキイキ」暮らすようにしていれば、同じように80代だって元気に暮らせると思っていたけれど、いざ80歳を迎えてみると、どうもそうではないらしい、と気づいた、ということが書かれています。ちょっとしたことで一気に歳をとってしまう、これまでできていたことがある日できなくなる。それはもう、そこまで健康や体力筋力を保つ努力をどうやってきたか、ということを超えて避け難く降りかかってくるのではないか、と。

母の3年前と現在を比べてみると、本に書かれているよりも5年〜10年遅い訪れかもしれないけれど、確実にそうなっているな、と思います。

以前はよく出かけていた散歩にしても、危険な暑さの夏を超えてみると、もうその前と同じようには歩けなくなっていて、戻すのは難しそう。やらないからできない、というよりやる負荷が高すぎて辛いのでしょう。

圧迫骨折を脱した後も、整形外科には継続して通院していて、骨を強くするための投薬は継続しており、骨密度の検査も行っています。検査結果を見ていると、向上はしていますが、背中はどんどん深く曲がってきていて、筋肉で真っ直ぐに支えることは難しい。

一番進行が激しいな、と感じるのは記憶力で、外部トリガーとして書き付けたものを残しておかないと、数日後であっても思い出すのは難しくなっています。見当識は健常で、その場での判断や思考には問題が見られないので認知症ではなさそうですが、「年相応の物忘れ」というのがなかなか激しくなってるな、という印象。一方で、強く印象に残ったり、感情が揺さぶられたり?したことについては、何度も訴えるのでびっくりさせられたりします。

ということで、いろいろなことをできるだけ書いておく、物の置き場所を変えたらラベルライターでテープを貼る、予定はカレンダーに書き込む、などの対応をするようにしていますが、こちらもうっかり忘れることもあり、しまった〜となったりします。少し前は電話でこれを改善する(電話で話て思い出してもらう)のがそれなりにできたのですが、今や電話はほとんど一方的なコミュニケーションになってしまっており(言うだけ言って切られる)、難しいので対面するのが肝要です。

母の介護サービスチームは、2017年にまだ父が存命だった頃に介護元年で、色々調べまくって地域包括センターに相談に行き、始まったところから、父が亡くなってチームの組み直しをして第二期に移行し、その後も継続しています。

backstage.senri4000.com

backstage.senri4000.com

介護認定の申請は、母の圧迫骨折を契機に始まっており、こうした病気や事故などの支障が発生して慌てて調べて動く、ということが世の中的にも多いようです。特に、それまで病気らしい病気や怪我なども経験がない、元気で長年暮らしてきた人ほどそのままなんとなく人生が続いていくと思っているようで、超高齢期になったらどうしたらいいか?などと事前に考えたり調べたりしていない、というのが「長寿期リスク」の本に書いてあったことでした。

そして、そういう「いざ」という時に介護サービスを頼ろうにも、申請したりといった手続きを回してくれる人が必要になります。手続きをするためには、諸々どうやっていくかを考えていく必要があり、これを介護における「キーパーソン」と呼ぶようです。

www.kaigo-soudan21.jp

本を読んでいると、子供がいても遠方に住んでいたり、おひとりさまだったりすると、なかなかなり手がなくて難しいようです。介護サービスはかなり普及したけれど、キーパーソンになりうる人が介護を必要とする人の側にいつでも存在するわけじゃない。昔はほとんど子供の世帯に同居していた(母の親の世代)のが独立世帯が大半になり、子供は遠方に居るのが大半になっているし、出生率も減っているわけですから、子供がいない人も珍しくありません。

たまたま、うちの場合は私も妹も実家の近隣に住んでおり、二人ともフルタイム就業とはいえ、何かあれば駆けつけられる状況にあります。得意な分野が異なることもあり、うまく分担しつつ、でも相談できる関係なので、相談して決めて実行してきました。これはかなり恵まれているというかたまたまうまくいっているに過ぎないのだな、と読んで思いました。

今回本を読んでみて、改めて、まだ母は毎食自分で作っているけれど、かなりしんどいのかもしれない、もっと楽に食べられるものを提案した方がいいのかもしれない、いく時には一品二品持参した方がいいのかもしれない、などと料理周りについても思いました。訪問する時って、せいぜい半日なので、あまり日常生活が見えるわけではないんですよね。聞いても正確なところはよくわからないですし。

などなど、これを機会に自らに引きつけて色々考えました、ということで、書き留めておきます。