天職の舞台裏

天職と思って日々仕事をしてますが、その舞台裏で色々考えていること、あるいは水面下でジタバタしてることを書いています。

2023年の仕事

前回仕事カテゴリの年次レビューをしたのは2年前、2021年でした。仕事カテゴリは、その年を振り返る中で避けて通れない時だけ年次レビューするため、数年に1度になっています。前々回は2017年で、2015年にカテゴリ別の年次レビューを始めてから2回分ですね。

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一昨年のレビューを読み返し、そうか〜、そうだったわ〜と思ったり、この当時もう少しこうやっていれば、と思ったり、割と痛い(苦笑)。

さて、2023年の仕事に関する記事(仕事雑感)は、21本でした。仕事の中身に入っているものもあれば、かすっているだけのものもありますが、1月2、2月1、4月4、5月6、6月2、7月4、10月2で、時期に偏りが大きいです。仕事についての記事を書くぞ!と思っていた頃だけ多い(大汗)。仕事の姿勢についての記事を書こうと思ったものの、頭の整理が難しく、あまり実現できていません。(と、この記事を書き出してから、書いておきたくなった記事を追加したため、12月に1本で合計22になりました。)

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機関設計の変更

今年前半の大きな仕事は、HD会社の機関設計を監査役会設置会社から監査等委員会設置会社に変更したことでした。昨年の秋頃に話が持ち上がり、2月に取締役会で決議して開示しました。変更自体は、株主総会において定款変更の承認を得ることで成立しますので、定時株主総会の準備に大きな塊として乗っかることになりました。変更を前提として幾つかの派生議案が必要となり、都合8議案となった総会でした。

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形式面の変更手続は上記の通りですが、実体面・実務面でどのように変わるのか、また変えていきたいかというのは手探りで、「ここまでできる」を見極め、ではどうしたいのか、そのために取るべき(社内)手続は何か?という繰り返しになります。社内規程についても監査役から監査等委員への名称変更だけで済ませようと思えば済むのですが、それではわざわざ変更した意味はないわけで、狙いたいところを実務に落とすためのあれこれに悩むことになりました。

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形式面で最も変化が大きいのは当然ながら監査役会から監査等委員会への変更で、執行側の要望で機関設計は変更しているだけに、監査等委員側は受身で特に要望したわけでもないのに一番変更対応しなければならない、という少々お気の毒な面もありました。監査等委員会の実体を整えるために、執行側よりも早く規程や基準を整備する必要があり、しかしあるべき姿を自分で描いているわけでもなく、で当初はずいぶん苦労されていました。

また、独任制である監査役と異なり、監査等委員会は組織として監査をするという建て付けであり、内部統制システムを前提としているという説明がものの本には書かれています。したがって、内部監査部門との連携が重要であって、そこがしっかりしていないと立ち行かないという危機感を覚えられ、監査部への注文が厳しくなったり(元々不満を覚えられていたところ、待ったなしになった、という面もあり)もしました。

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とはいえ、法律に監査等委員が自ら監査してはいけないと書かれているわけではなく、委員会として選定すれば監査役と同様の動きは問題なくできます。そのようにしている会社も世の中には多くあり(だから法律上義務づけられていない常勤監査等委員もよく見られる)、無理に建前に拘らなくてもよいのではないかと思ったりしました。

ここへ、次項で述べる私のポジションの変化が重なって、前年まで事務局として深く関わってきたところが難しくなり、関係がギクシャクしたり、すれ違いもあったりで、現在も解消したとは言えない状況です。これはもう、今期が無事に終了したり、現在の常勤委員の方が退任されるまでは無理かも、とか思っていたりもします。

ポジションの変化

上記の「2021年の仕事」に書いたように、2021年の5月に中核事業子会社の取締役に就任し、ほぼ同時期にHD会社の方で監査部長を兼務することになりました(法務部長はそのまま継続)。その後2022年の初めには知財部門を独立させて子会社に移動させていますが、他の子会社の取締役だったり管理部門の担当部長だったりを兼務して職掌が広がっている状態でした。

これを、2023年の6月にHD会社の取締役に就任することになり、多少の衡量が入りつつ子会社側の取締役は退任となり、他の子会社の取締役は継続するものの子会社管理部門のレポートラインは終了しました。監査部についても、取締役として部門の担当はするものの、世の中的に執行側と監査側のダブルレポーティングが推奨されるような内部監査部門の部門長を執行側の取締役が兼務するのは好ましくないだろうということで、兼務解除となりました。

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というポジションの変化からちょうど半年経過したところなわけですが、担当職掌は減っており、内部統制・コンプライアンス担当(法務部・監査部担当)として、昨年までよりは業務の総量は減っていると思うのですが、どうも期待される役割と自分の取り組みが上手く噛み合っていないような気がして悩ましい昨今です(後述)。

積み残しの取り組み

上記したように、監査部長は取締役就任に伴って退くことになり、ここまで2年の間あまりしっかりした組織整備ができなかったことを受け、後任部門長を早めに指名して引き継ぎしつつの組織整備に力を入れることにしました。

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何度も何度も2年も何してたのだ自分、という気分になりましたが、後悔先に立たず。今年度1年かけてがっつりやるから許して〜という気分で全力疾走してきております。あと3ヶ月やな。

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本格的に全部手を突っ込む、ということはせず、実務も2年はやってきた新部長に相当細かく指示しまくって、拠り所を作る作業を行い、雰囲気で処理しない、前年踏襲だけで済ませない、意味のある仕事をする、と進めて来ました。

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年末も近くなった昨今、部門長もずいぶん組織を運営することに慣れて来たように思います。チーム制のリーダーとのコミュニケーションを取り、スケジュールの管理をし、年間イベントの見通しをたて、監査等委員会へ毎月報告をし、という日常の組み立てをしながら、内部監査部門はどうあるべきかを考える運営ミーティングを定例で。

部長時代から始めた部門内の定例ミーティングには、当面同じように出席することをコミットしていたのですが、主要メンバーとの運営で概ね方向性は出せるようになってきたし、上に書いたような状況で口出しすることも減ってきたため、そろそろ出なくても良くない?と言ってみたら、

今期中は従前同様に出てもらえるって話だったじゃないですか!

と言われたので(すっかり忘れてた)、約束を違えてはいかんな、となってイマココです。毎週行っているスケジュールの確認など事務的な部分は参加免除してもらい、報告や計画のところだけの部分参加に変更しました。

一通りの決着をなんとか今期中につけ、来期は新しい運営方法・スケジュールで完全に始めたいと思って走っております。という状況を現在視点でまとめてみました。

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今期の監査も佳境で(前年踏襲影響で監査が下期に集中してる)、実務を回しながら先のことを考えてもらっている状況のため、なかなか厳しいのですが、なんとか走り切って残課題を来期取り組みたいものです。

今後の方向性

そんな監査部の状況で、こちらは思ったよりも時間はかかっているものの、概ね想定していた方向に行っています。組織として仕事をする、と書きましたが、まあそのように機能させられるように部長を育ててきた、ということになるかと思います。

一方、相変わらず兼務しているのは法務部長ですが、こちらについても数年のうちには部門長を育てて回るようにしたいなと思っています。実務的に、ルーティンとしての法務機能は、ベテラン経験者の課長職がいるので十分回っているのですが、全社的な法務機能としてそれで十分か、メンテナンスはどうか?という観点ではまだ未完です。リソースが十分でないとそうした長期的なところまで手が回らず、降ってくる案件対応だけで手一杯になってしまうのはどの部門でも似たり寄ったりで、ここも例外ではありません。

来期の予算作りが始まる時期でもあり、現在こうした長期的な課題出しを始めているところで、来期かけてそういう土台作りができるといいな、と思っています。

そして私自身の期待役割はどうなんだ、なのですが、従前の子会社取締役って、実際に子会社で執行部門を持っていたわけではなく(知財だけ後から切り離して持って行ったりはしたけど)、なんだか非常勤のようなポジションで、法務や監査の環境・文脈の情報の仕入れのためにそこにいるような状況でした。本務は法務部長であり監査部長です、みたいな。

そこからHDの取締役になったことで、どうも自分の意識が上手く切り替わっておらず、おまけに監査部長育成中、法務部長は兼務中のため、視座がどうしても部門長にとどまっているように思います。取締役ってなんだよ?という答えが自分の中で出ていない。世の中でこうしたもの、というのもそれなりにはあるわけですが、何より会社が・社長が求めている役割がまだはっきり見えていない・理解できていないところに起因しているように思います。

上記の記事で部門の目標について書いたことが当てはまると思いますが、問題は「部門」じゃないのでどこまで広げて考えればいいのか、担当はもちろんなんだけど、全社の事業までいくと広すぎて訳分からんし、で悩ましい。

部門の業務内容(今やっている業務)、その部門が果たすべき業務がはっきりわかっている必要があり、また、会社の置かれている状況とか、社会的に求められていることとかも全体環境としてわかっている必要があることで、杓子定規に設定しても最適解にはならないし、変に迎合していては危ない

それで何をすべきなのかの方向性がまだクリアになっていない年末現在、どうにも仕事気分は停滞気味なのでした(苦笑)。